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ポスト「冷戦後」のかたち

1989年12月3日、米ソ首脳はマルタ会談で冷戦終結を宣言した。あれから30年。米国を中心とする西側が築いたはずの国際秩序は揺らぎ、新たな対立や分断が生まれている。混沌(こんとん)としたこの冷戦後の時代のその後(ポスト)に、私たちを待ち受けているのはどんな世界なのか。

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ポスト「冷戦後」のかたち

残る兵器、熟さぬ果実 ウクライナ、弾道弾解体中断

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 1989年12月に冷戦終結を宣言した米国とソ連。2年後にソ連が崩壊し、米国とロシアは協調して旧ソ連・ウクライナの核兵器処分を進めた。だが、その後の米露対立の影響で、冷戦終結の「果実」が得られないままの現場もある。その一つ、ウクライナ東部パブログラドにあるミサイルの解体工場を訪ねた。

 室温が17度に保たれた工場の保管庫には、長さ7・6メートル、直径2・4メートルのミサイルの一部が保管されている。ソ連が製造した3段式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RT23」の3段目にあたる部分だ。

 ソ連から独立したウクライナは90年代半ばから、核弾頭の運搬手段であるICBMの解体を進めた。作業現場となったパブログラド化学工場に54基のRT23が持ち込まれた。うち38基については3段目に詰められた固体推進剤のミサイル燃料の処分を終えていない。工場の別の施設では、3段目部分が垂直に近い角度で立てられたまま、燃焼処分の作業が中断されていた。

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