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余録

マンハッタン中心部を貫く5番街はニューヨーク一番の目抜き通りだ…

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 マンハッタン中心部を貫く5番街はニューヨーク一番の目抜き通りだ。中でも50~60丁目には有名店が並び、クリスマス時期は観光客でにぎわう。57丁目にあるのが19世紀創業の宝飾店ティファニー本店だ。米映画「ティファニーで朝食を」(1961年)でオードリー・ヘプバーンが早朝、商品が飾られたウインドーをのぞきながらコーヒーとパンの朝食を取る冒頭シーンは名高い▲その老舗が「ルイ・ヴィトン」などを傘下に置く仏企業に買収された。交渉は極秘で行われ、朝食にちなんでティファニーは「ティー」、フランス側は「ラテ」の暗号名がつけられたという▲日本にも進出し、80年代後半のバブル期にはクリスマス前、各店舗にプレゼントを買う長い列ができた。売り切れで次回入荷を待つ客に彼女への言い訳用の引換券が発行されるなど社会現象にもなった▲近年、重要な顧客になったのが中国の富裕層だ。北京や上海に進出し、ニューヨークの本店にも中国人観光客が押しかけた。だが、今年前半、米中貿易戦争の余波で陰りが見えた。宝飾品の関税が上がり、中国人客の売り上げも落ち込んだ▲交渉中も香港情勢の緊迫化、米中協議の難航が続いた。さらなる業績悪化の懸念や株価低落でライバル企業が買収に乗り出すことへの危機感からトントン拍子で話がまとまったそうだ▲米国で成立した「香港人権・民主主義法」に中国が反発し、協議の行方に暗雲が漂う。その影響の及ぶ範囲はティファニーだけにとどまるまい。

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