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「水面から突き出した子どもの両手」彫刻 COP会場で気候変動の脅威訴える

会場に展示された巨大な「手」の彫刻=スペイン・マドリードで、鈴木理之撮影

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 スペインの首都マドリードで開かれている国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場に、ひときわ目立つ高さ約3メートルの大きな「手」の彫刻が展示されている。11月に過去50年で最悪となる記録的な高潮に見舞われた、イタリア北部ベネチアの運河で2年前に展示された作品を再現したもの。地球温暖化被害の象徴として、世界規模での温暖化対策を交渉する場で警鐘を鳴らしている。

 アドリア海に面し「水の都」として知られるベネチアでは11月中旬、悪天候による高潮で最大約2メートル海面が上昇し、市内の85%以上が浸水した。観光名所のサンマルコ広場などが長時間にわたって冠水し、自宅が水につかった78歳男性が感電死するなど甚大な被害が出て、イタリア政府は非常事態を宣言した。今回の被害は地球温暖化との関連も指摘されている。

会場に展示された巨大な「手」の彫刻=スペインのマドリードで2019年12月3日、鈴木理之撮影

 彫刻は、イタリアの世界的な芸術家、ロレンツォ・クインさんが手がけた「サポート」。クインさんは2017年に開かれた世界有数の国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ」に同じモチーフの作品を出品した。水面から突き出した子どもの両手の彫刻が運河沿いの建物を支えるように置かれた作品は、ベネチアは現在と将来の世代の支えが必要であることを訴えており、気候変動の脅威を伝えるものとして注目を集めた。

 クインさんは、COP25のために作品を再現し、本会議が行われるエリアに設置された。3日、作品の前で足を止めたフランス政府の交渉担当者は「ベネチアの悲惨な光景は胸が痛んだ。具体的な対策を行動で示す必要がある」と述べて会議に向かった。

COP25の会場で展示されている、巨大な「手」の彫刻=スペイン・マドリードで12月3日、鈴木理之撮影

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9月、今世紀末に世界平均の海面水位は最大で1・1メートル上昇するなどと予測した特別報告書を公表。地球温暖化の影響で台風などの強さも増し、高潮などで沿岸部の被害が増大すると指摘している。【マドリード(スペイン)鈴木理之】

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