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余録

囲碁のことを別名「爛柯」という…

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 囲碁のことを別名「爛柯(らんか)」という。柯はオノの柄、爛は腐ってぼろぼろなさま。昔、山中に入った木こりは童子が碁を打っているのに出会い、見ている間にオノの柄が腐っていたという中国の伝説に由来する▲囲碁は時を忘れさせる、あるいはその世界には俗界の時間とは異なる時が流れているという意味だろう。木こりは童子から与えられたナツメを食べ、飢えを感じなくなっていた。我に返った彼は里に戻ったが、村は様変わりしていた▲そこに入り込めば心も時間も奪われてしまう囲碁の魔術性を表す爛柯伝説では、童子はその異界で遊ぶ神霊である。だが今やこの世の童子や若者たちがスマホなどのゲームの仮想世界に入り込み、心も時間も奪われる21世紀となった▲1日6時間以上ゲームをする10~20代の半数以上が昼夜逆転の生活となり、2割が引きこもりとのデータが先日公表された。世界保健機関がゲームへ異常にのめり込む「ゲーム障害」を新たな依存症としたのを受けた国内調査である▲平日6時間以上ゲームをする人は約3%だが、同3時間以上では2割になる。どこでもゲームができ、小学生も4割が所持するスマホがゲーム依存に大きな影響を及ぼしていよう。依存症の治療・相談の体制作りを急がねばならない▲爛柯伝説を生んだ中国では強権を用いて少年のオンラインゲームの深夜プレー禁止を打ち出したという。時を超えて異界で遊ぶ童子らの霊妙な仙味(せんみ)を喜んではいられない世界規模のゲーム障害の時代である。

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