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社説

日産の新体制が始動 ルノーと関係修復が急務

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 業績回復、ガバナンス(企業統治)改革、自動車連合を組む仏ルノーとの関係修復など、難題山積みの船出である。

 日産自動車が内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)をトップに新経営体制を始動させた。前会長のカルロス・ゴーン被告が昨秋逮捕され、後継の西川広人前社長も不当報酬問題で辞任するなど経営が混乱した。

 商社出身の内田社長を、車業界に精通したアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)と、日産生え抜きの関潤副COOが支える「3頭体制」だ。トップに権限が集中したゴーン時代の弊害を踏まえた。

 ゴーン体制下では、拡大主義の下、現場に過大な目標が課され、達成のために値引き販売が横行した。新車開発もおろそかになり、顧客離れと収益悪化の悪循環を招いた。

 内田氏は「(ゴーン時代は)できないことをできると言わせていた」と認めた。今後は過剰な生産拠点・人員の削減や、積極的な新車投入で業績回復を図るという。

 再建のカギを握るのはルノーとの協業強化だ。内田氏も「アライアンス(提携)は重要」と述べた。だが、経営統合をめぐる対立などを背景に「日仏連合」は機能不全に陥っているのが実情だ。

 提携は20年前にルノーが日産を資本支援して始まった。ルノーが日産株の4割超を握るが、日産はルノー株を15%しか持たない。一方、販売台数では日産がルノーを上回る。

 この微妙な関係を制御していたのが、両社のトップを兼務したゴーン前会長だ。前会長の失脚後は、資本の論理を盾に統合を迫るルノーに日産が反発し、相互不信が深まった。

 内田氏はルノーとの統合を否定するが、社内には疑心暗鬼が渦巻く。新経営陣選定にルノー会長が関与したためで、再建に向けた社員の士気への影響さえ懸念されている。

 ただ、強気のルノーも収益面や技術開発は日産に依存する。部品調達や新車開発なども一体化した今、提携を解消できない事情は同じだ。

 にもかかわらず、いがみ合ったままでは、自動運転など次世代車開発が遅れるばかりだ。日産新体制を機に、内田氏の言う「ウィンウィン(共存共栄)」を目指して関係修復を急がないと、生き残れなくなる。

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