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「桜を見る会」と首相 逃げるほど疑惑が深まる

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 このまま説明を尽くさずに、臨時国会を終えるつもりなのか。

 2日の参院本会議は「桜を見る会」をめぐり、次々と浮かぶ疑問に安倍晋三首相がどう答えるかが注目された。しかし、首相は内閣府が招待者の名簿を廃棄したことを理由に追及をかわす答弁に終始した。

 悪質なマルチ商法で知られるジャパンライフの元会長が2015年に招待されたのは首相の推薦枠だった疑いが強まっている。

 首相は元会長と「個人的な関係は一切ない。妻も面識はない」と明言した。では、誰がどのようにして首相の推薦枠を使ったのかが問題になる。しかし、首相は個人情報だとして確認を拒んだ。

 元会長側が同社の宣伝チラシで招待状を公開しているのだから「個人情報」は理由にならないはずだ。

 元会長への招待状が同社に信用を与え、結果としてマルチ商法の被害拡大に加担した形にもなっている。

 首相夫妻の関与を否定するのなら進んで招待の経緯を解明すべきだ。名簿が残っていなくても、自身の事務所や内閣府などに調べさせることはできる。なぜ首相は疑惑を晴らす努力をしないのか。

 今年の桜を見る会にも反社会的勢力の関係者が参加した疑惑がある。事実確認には名簿データの復元が近道だ。ところが首相は「復元は不可能」と断定的に答弁した。

 データは外部のサーバーで管理していたという。そのような場合、削除の仕方によっては履歴をたどって復元できる可能性もあるとされる。

 復元を試みる姿勢が首相に見えないのでは、不都合な事実を隠すために廃棄を急いだのではないかとの疑念に拍車をかけてしまう。

 首相の後援会が高級ホテルで開いた前夜祭の経費についても不透明さが残ったままだ。「後援会としての収入・支出は一切ない」との説明を立証する書類は示されていない。会費5000円で何人が参加したのか、首相からホテル側に明細書の発行を求めないのは解せない。

 公金で催される政府行事が首相ら政権党の支持者をもてなす事実上の選挙活動に利用されていた疑惑だ。

 首相がその気になれば真相解明が進むのに、説明から逃げるから、さらに疑惑が深まる。

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