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労働力不足を解決する手段として、注目されるスマート農業。生産現場に定着するかどうか、消費者も無関係ではない。
岩手県で各種露地野菜を作るある農家は「生産工程全体でスマート農業が実現すれば省力化できるが、まだ、工程の一部にとどまっている」と話す。キャベツの場合、労力が必要な収穫の機械化が開発途上にある。開発中の収穫機を実証的に使ったところ、ロスが5~7%発生したという。生育過程で、地面に対し、斜めに育つキャベツがある。機械がそれを認知せず、地面と平行に収穫すると、斜めのまま切断され、キャベツ本体が一部傷つき、商品価値が落ちやすいからだ。
愛知県のキャベツ農家も「収穫機は使わない」と答えた。同じ畑に同じ時期に植えたキャベツでも、個体差があり、生育のスピードが異なる。このため、農家は大きさのそろったキャベツを選んで収穫する。このきめ細かい作業を収穫機に期待できないからだ。「グラム売りが一般的である海外の小売店と違い、日本では1個売りが大半で、固定価格なので、均一な大きさが求められる。この売り方が続く限り、手作業が続く」と語る。
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