中村哲さん同僚「信じられない、無念」 衝撃にも「事業はやめない」

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ペシャワール会現地代表の中村哲さんが銃撃で死亡したのを受け、沈痛な面持ちで記者会見する福元満治・広報担当理事(左)と古川正敏・事務局長=福岡市中央区で2019年12月4日午後5時32分、矢頭智剛撮影
ペシャワール会現地代表の中村哲さんが銃撃で死亡したのを受け、沈痛な面持ちで記者会見する福元満治・広報担当理事(左)と古川正敏・事務局長=福岡市中央区で2019年12月4日午後5時32分、矢頭智剛撮影

 戦乱と干ばつで荒れたアフガニスタンの地に水を引き、実りの畑に変えてきた日本人医師が、銃弾に倒れた。福岡市のNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲さん(73)。人道支援に力を注ぎ、武力に頼って争う世界に異議を唱え続けた中村さんの突然の悲報に、関係者や家族は言葉を失った。

「正直なところ信じられない。無念だ」。4日午後5時半過ぎ、福岡市中央区のペシャワール会事務局で、同会理事の福元満治さん(71)は、厳しい表情で言葉を絞り出した。その約1時間前、中村さんの死亡情報が飛び込んでいた。

 福元さんは、中村さんと約30年前から苦楽をともにしてきた。戦乱や干ばつの深刻化で苦しむアフガニスタンの人々を救おうと、中村さんは情熱を燃やし続けてきた。「かんがい用水路が必要という理屈は分かるが、それができる人はいない。普通の医師ではできない」と語る。

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