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社説

PISAで読解力低下 長文に触れる機会作りを

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 3年ごとに行われる経済協力開発機構(OECD)の2018年国際学習到達度調査(PISA)で、前回調査に続き日本の子どもの読解力の低下傾向が示された。

     文部科学省や学校現場は真摯(しんし)に受け止める必要がある。結果を詳しく分析し、学習改善につなげることが大事だ。

     今回の調査には、79の国・地域から義務教育修了段階の約60万人が参加した。

     PISAは日本の教育政策に大きな影響を与えてきた。03年調査でも読解力や数学の順位が大幅に低下し「ゆとり教育」が原因と指摘された。それを機に、全国学力テストが始まり、学習指導要領が改定されて授業時間が増えた。

     その後、順位はいったん回復したが、前回は再び低下に転じて参加国・地域中8位となり、今回はさらに15位まで急落した。

     とりわけ日本の正答率が低かったのは、ある程度長い文章から求められた情報を探し出したり、書かれていることの信用性を評価して事実なのか意見にすぎないのかを判断したりする問題だ。

     専門家は、低下の原因として、スマートフォンやSNSの普及で子どもの読み書きやコミュニケーションが短文中心になっていることを挙げる。調査では、日本の子どもがゲームやインターネット上で友人らとやりとりするチャットに費やす時間の長さも指摘された。

     一方で、小説や伝記、ルポルタージュ、新聞などまで幅広く読んでいる子どもは読解力が高いことが示された。長文に触れる機会を授業や課外活動で増やしていく工夫が求められる。

     インターネット上にフェイクニュースがあふれ、真実を見抜く力が求められる時代だ。紙かデジタルかにかかわらず、文章を批判的に読み解く力の大切さはますます高まってきている。

     英語教育の重視などで授業時間が増え、子どもも教師もゆとりがない中で、新たな試みをするには難しい問題もあろう。だが、読解力は学力の基本だ。

     全体の学習プログラムを調整したうえで、文章を読む楽しみを根付かせたい。

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