「地方税を守ってください!」「お願いします!」。12月2日午後の自民党本部9階は異様な熱気に包まれていた。満員電車並みの人混みとなった廊下では、エレベーターから降りてきた議員に、業界団体の関係者らがプラカードを掲げたりビラを渡したりしながら声を張り上げていた。【藤渕志保】
この日行われたのは、自民党税制調査会の小委員会、通称「平場」(ひらば)で各省庁や業界からの税制改正要望を一つ一つ査定する「マルバツ審議」。税制改正議論のヤマ場の一つだ。会場に各省庁や地方自治体、業界の関係者が詰めかけたのは、要望の査定結果をいち早く知るためだけではない。自らの主張を査定に反映させようと、出席議員に念押しするためだ。
会合前の会場の熱狂は、前任者に聞いていた以上だ。私は人混みから少し離れた場所におり、黒山の人だかりで議員の姿は捉えられなかった。だが、叫び声のタイミングで誰かが来たことだけは分かった。なんとしても要望を通したいという気迫がすさまじい。
一部の関係者は、1階ロビーで待ち構えていた。9階の混乱を避け、議員らが党…
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1991年神奈川県生まれ。2014年に入社し、甲府支局、北海道報道部を経て、18年4月から東京経済部。流通・サービス分野や生命保険・損害保険業界、財務省主税局などを取材。20年4月からは農林水産省と経済産業省、エネルギー業界を担当している。
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