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「大阪産」シラスブランド化で漁師収入1.5倍に 岸和田の漁港、入札制度導入で若者増

運んだシラスを検品する若手の漁師や加工業者=大阪府岸和田市で2019年11月15日午前11時28分、加藤美穂子撮影

 大阪府岸和田市の漁港が活気に満ちている。大阪湾で取れるシラスの水揚げが盛んで、売り方を変え、地域ブランドに育てた。安定した収入と休みを確保できる仕組みも漁師を志す若者を引き付けている。【加藤美穂子】

 11月中旬、岸和田市の岸和田漁港。早朝からの漁を終えた漁船が午前10時過ぎ、次々と帰港し、取れたてのシラスを陸揚げしていた。あふれんばかりのシラスが入ったかごは港沿いの入札場に運ばれる。船に乗るのもかごを運ぶのも若者の姿が目立つ。漁師になって約1年半という同府忠岡町の藤田将希さん(20)は「年齢が近い人が多くて働きやすい」と話す。実家が別の場所で漁師という同府阪南市の南祐介さん(36)は「思ったより休みが多く、職場の雰囲気もいい」と岸和田を選んだ。

 入札場を運営する府鰮(いわし)巾着網漁業協同組合所属の組合員約120人の平均年齢は49歳。20~30代が約半数いて、10年前の1割程度から大幅に増えた。後継ぎだけでなく、友人の紹介で入った人も多い。大阪の中心部・難波に近く、漁に出て働くのは週4日と「週休3日制」。だが、若者が増えた最も大きなきっかけは、2014年にシラス・イカナゴの入札制度を導入したことだ。

 農林水産省によると、17年の府内漁獲量1万9291トンのうち、同漁協など岸和田市の3組合で約8割を占める。ただ、大阪湾のシラスは、シラス干しや釜揚げなどに加工する兵庫や和歌山など府外の業者に言い値で買い付けられていた。漁場としての大阪湾は知名度が低く、ブランド力がある兵庫産より2~3割安く買われる傾向にあり、その分漁師の収入も低かった。加工業者から借金をしていた漁師もいたという。

 そこで漁師の待遇改善を図るとともに、地域ブランドとして根付かせようと、同漁協の岡修(おさむ)組合長(69)は入札制度の導入を決め、府内の他漁協への説明に奔走した。府内で取れるシラスは岸和田漁港で水揚げし販売する。「大阪産」シラスとしてブランド化を図った。

 入札を始めた14年は、府内でシラス漁を行う船団の3分の1にあたる26統の参加にとどまった。しかし、大阪のシラスが集まる場所として知られると、新規の加工業者も訪れるようになった。次第に大阪産シラスとして知名度も高まり、価格も上がった。全船団68統が参加している今は兵庫産と変わらない価格で取引される。取れすぎれば漁を早めに切り上げるなど資源管理…

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