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選挙にらみ「10兆円」ありき 市場冷ややか「効果限定的」 経済対策に13兆円

臨時閣議に臨む安倍晋三首相(中央)ら=首相官邸で2019年12月5日午後6時18分、手塚耕一郎撮影

 政府が5日閣議決定した経済対策は、財政措置額13.2兆円の大規模対策に膨らんだ。米中貿易戦争を受けた世界経済の減速による景気腰折れを懸念する安倍晋三首相と、いつあるか分からない衆院解散・総選挙の可能性をにらんだ与党の思惑が一致し、財政再建を棚上げした形だが、対策の実効性には懐疑的な見方も出ている。【森有正、竹地広憲、松倉佑輔】

 政府が対策の策定に着手し始めた11月上旬には「経済情勢はそれほど悪くない」(政府関係者)との見方もあり、対策は歳出(真水)で4兆~5兆円程度と目されていた。しかし、安倍首相には「消費税増税の影響や、五輪後の需要落ち込みを見据えた大きな対策を打つ必要がある」(官邸幹部)との問題意識が強かった。

 首相と軌を一にするように、自民党の二階俊博幹事長ら与党幹部からも「経済対策は10兆円を超える必要がある」との声が相次いだ。背景にあるのが、自民党総裁の任期切れまで2年を切った安倍首相が求心力強化を目指して解散・総選挙に打って出ることへの警戒感だ。同党が11月末に開いた経済対策に関する会合では、出席議員から「政府の経済状況に対する認識は甘すぎる」「この程度の経済対策の規模で、次の選挙を戦えと言うのか」と怒声が飛んだ。その後、財政再建派とされる岸田文雄政調会長も「最大限予算を積み上げていただきたい」と注文する要求一色の様相となった。

 歳出拡大の大合唱の前に、歯止め役のはずの財務省は無力だった。最大の争点となった全国の小中学校に「1人1台」パソコンを導入する事業では、同省は「教育現場の体制が整わなければ、十分な活用は期待できない」として数百億円の予算にとどめる方針だった。だが、自民の文教関係議員は早くから官邸などに働きかけ流れを構築。11月13日の経済財政諮問会議で安倍首相が「パソコンが1人1台となることが当然だということを国家意思として明確に示すことが重要だ」と表明し、あっさりと勝負が決した。今年度補正予算に盛り込むのは2300億円程度だが、事業総額は4000億円規模に達する見通しで、今後も予算の追加を迫られる可能性が高い。省内からは「対応が後手に回った」との声も漏れる。

 麻生太郎財務相は5日の記者会見で「海外発のリスクがあり、外需だけでなく、設備投資や個人消費といった内需も下押しされる可能性は否定できない。あらかじめ万全の対策をやっておかなければいけない…

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