授業で「わかる」成功体験が「やる気」の第一歩 教育ユーチューバー葉一さん
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

教員とも塾講師とも異なる“次世代の教育者”として注目されている人がいます。「教育ユーチューバー」、葉一(はいち)さん(34)。動画サイト「ユーチューブ」で配信する授業動画がわかりやすいとして中高生を中心に口コミで広がり、開始から7年で動画の累計再生回数は2億回を突破しました。次世代の教育者が語る「やる気レシピ」とは。
――授業動画ではどんな点を工夫していますか。
◆動画は基本的に15分以内でまとめています。コンパクトに集中して見られる長さを意識しています。今やっている内容がわからなければ、前の単元や前の学年の動画に目を通して、どこがわからないかを自分で探れるようにしています。自分が想定しているのは基礎を定着させたい子。それは、集中や継続が苦手だった中高生時代の自分だったり、塾でつまずいた子どもだったり、というイメージです。授業で「わかる」という成功体験を得ることが、「やる気」の第一歩だと思います。
――なぜそれが「やる気」につながるのですか。
◆子どもの生活の中で大部分を占める時間は学校の授業です。それなのに「わからない」と思いながら過ごすのは苦痛です。成功体験というと、志望校合格のように大きなことに思われがちですが、「前はわからなかった問題が解けた」のも「授業中に手を上げられた」のも成功体験だと思います。「勉強をがんばって良かった」という小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
――受験期になっても勉強しない子どもにやる気を出させるには。
◆受験はその先の人生までイメージすることが必須です。子どもたちには、志望校に進学して、どんな制服を着て、何月にどんな行事があって、ということを想像してほしい。親御さんの言葉は子どもにプラスにもマイナスにも働くと思っています。やる気がみられなかったり、できていない点が目に入ったりすると、口うるさく言いたくなるかもしれません。ですが、まず「今、子どもにかけようと思っている言葉は、今必要なのか」を一瞬考えていただきたい。そして、ほめるときは「ほめ」を伝えきってほしいですね。
――伝えきるとは。
◆例えば、子どもがテストのある教科でいい点を取ったらほめますよね。でも子ども自身が「他の教科は悪かった」と話し始めると、どうしても悪い方に目がいって、ほめられるところをほめきれずに終わってしまいます。他が悪くても、成果は成果ですから、そこはほ…
この記事は有料記事です。
残り779文字(全文1779文字)