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社説

13兆円の経済対策 規模ありきのつけは重い

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 政府が新たな経済対策を決めた。国と地方の財政措置が13兆円に上る大型対策だ。民間支出などを加えた事業規模は26兆円に達する。今年度補正予算と来年度予算に計上し「アベノミクスの加速」を図るという。

     疑問の多い内容だ。最大の問題は危機的な財政にもかかわらず、規模ありきで策定されたことだ。安倍晋三首相が「しっかりした規模」を指示し、与党も大型対策を促した。

     政府は米中貿易摩擦など海外リスクを強調するが、日本経済については消費増税後も「緩やかに回復している」との認識を変えていない。なのに規模を優先し、ばらまきになりかねない事業も詰め込んだ。

     典型的なのが、マイナンバーカードを持っている人への買い物ポイント還元である。2万円の買い物に5000円分と破格の還元率だ。

     増税対策で始めた別のポイント還元が来年6月末に終わるため、その後の消費落ち込みを防ぐ狙いだ。

     だが、財政頼みの消費刺激策を続けていては、対策でうたった「民間主導の成長」と矛盾する。

     普及率が低迷するカードを高額のポイントで広める狙いもあるが、筋違いの手法だ。

     公共事業は6兆円規模と手厚く盛り込む。台風などの被害を踏まえ、防災を柱に据えたためという。

     必要な堤防改修などは行うべきだ。ただメニューには道路や港湾、農業施設など幅広いインフラ整備が並び緊急性が乏しい事業も目立つ。

     成長戦略として、経済のデジタル化や中小企業への補助金拡充も計上する。首相はこれまでも「アベノミクスの加速」と称し大型予算を組んできた。だが成果は限定的だ。今回も効果を見極めたのか疑問だ。

     たび重なる財政出動で国と地方の借金は1100兆円を超えた。

     今回の対策の財源は、公共事業などに使途を限る建設国債や、過去の予算の使い残しの剰余金などで賄い、赤字国債は発行しないという。

     だが建設国債も赤字国債も同じ借金であることに変わりない。剰余金も本来、借金返済に充てるべきだ。対策に使う分、借金が減らず、将来世代に負担が先送りされる。

     首相は対策を「未来への投資」と位置づけた。しかし、未来へのつけが膨らんでしまえば本末転倒だ。

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