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12日の投開票日に向け、英下院総選挙の選挙運動が佳境に入っている。最大の争点はブレグジット=英国の欧州連合(EU)離脱。各党や有権者の動向が注目される選挙区を歩き、状況を探った。
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ロンドンから電車で西へ1時間の町、スウィンドンに、ホンダの工場がある。ホンダにとって欧州唯一の四輪車生産拠点だが、同社は今年2月、2021年に撤退すると発表した。
ホンダは工場閉鎖と英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)とは関係がないと説明するが、従業員や地域住民はそうは受け止めていない。「ホンダが英国を去る大きな理由はブレグジットだ。EUとの貿易協定がある日本には英国は必要ではないんだ」。工場で25年間勤務してきたパディ・ブレナンさん(54)はため息をつく。
ホンダは1989年にエンジン製造、92年に自動車生産を始めた。18年は乗用車「シビック」を16万台生産。大半は欧州向けの輸出だ。EU離脱となれば関税が発生し、物流が煩雑になるリスクも抱える。今年2月には日EUの経済連携協定(EPA)が発効し、26年には日本から直接輸出しても関税はかからなくなる。“英国飛ばし”の環境は整いつつある。
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