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余録

今から49年前、古代の国府が置かれた多賀城跡(宮城県)から…

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 今から49年前、古代の国府が置かれた多賀(たが)城(じょう)跡(宮城県)から奇妙な「革製品」が出土した。後にそれは漆(うるし)で固まった紙と分かった。紙を調べると、当時の住民の基本台帳である「計(けい)帳(ちょう)」などの公文書や暦だった▲「漆(うるし)紙文書(がみもんじょ)」と呼ばれるこれらは、漆職人が漆の変質を防ぐため廃棄された和紙を漆表面にかぶせた「ふた紙」だった。その後、各地の遺跡で続々と出土した漆紙文書は古代からのタイムカプセルとして歴史研究を大きく前進させた▲ちなみに「計帳」は名前、続柄、年齢のほかホクロや傷痕などの身体的特徴までも記された個人情報リストだった(平川南(ひらかわ・みなみ)著「よみがえる古代文書」)。たとえ行政文書であろうと、紙は貴重で再利用するのが当然だった時代の話である▲こちらは電子データの時代の漆紙文書か。神奈川県の納税記録など膨大な個人情報の残存するハードディスク(HDD)がネットオークションで転売されていたのだ。データ消去を請け負った業者の社員が持ち出して出品したという▲県は使用サーバーのレンタル業者への返却時にHDDを初期化したが、これでは復元可能なのはご存じの方が多かろう。レンタル業者がデータ消去の専門業者に廃棄を委託した結果がこのありさまで、空前の行政データ流出となった▲このデータ消去業者は防衛省や最高裁、メガバンクなどとも取引があったそうな。何ともびっくりの再利用に売り出された漆紙HDD、まさか今後続々と各地で出土なんていうことがありうるのか……。

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