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時代の風

20年迎える「弁当の日」 未来の子の笑顔のため=城戸久枝・ノンフィクションライター

=根岸基弘撮影

 ノンフィクションは、一つのテーマと長い期間、向き合い、取材を重ねる。私がこれまで取り組んできた戦争体験者への取材は、かれこれ15年近くがたっている。最近は記憶を次世代につなぐことへとテーマはシフトしつつある。深くテーマを追求することで発見することもあるが、思わぬ分野に出合うこともある。

 いま、新しい分野に挑戦している。ドキュメンタリーの映画だ。テーマは「弁当の日」。香川県の元校長、竹下和男さんが提唱する食育を超えた取り組みだ。子どもたちに、弁当を作らせる。献立を考えること、買い出し、調理と箱詰め、片付けもすべて一人でする。大切なルールが一つある。それは、親は一切手伝わないということ。この弁当の日が始まったのは、2001年。竹下さんが当時校長をつとめていた香川県綾川町の滝宮小学校だった。いま、その弁当の日を実施している小中学校は、全国2300校に広がっている。

 竹下さんが最初、保護者の前で弁当の日をやると宣言したとき、反対の声も多かった。子どもは勉強で忙しい、朝の忙しい時間に台所を占領されたら大変だ、子どもがけがしたら。それにいろいろな家庭がある。弁当を持ってこられない子がいる。一人でもそういう子がいたら、かわいそうではないか……。竹下さんはこう言った。「みなさんがおっしゃったできない理由、それこそが、弁当の日をやる理由です」と。できないことをそのまま…

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