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この1年 歴史・時代小説 昭和ものや企画本、新時代飾る=細谷正充(文芸評論家)

 平成が終わり、令和になった。このような時代に、あらためて歴史・時代小説の範疇(はんちゅう)について考えてみたい。というのも中路啓太が、積極的に昭和史を題材にした歴史小説を執筆しているからだ。今年も、『ミネルヴァとマルス 昭和の妖怪・岸信介』『昭和天皇の声』が上梓(じょうし)された。村木嵐も、戦後最初の東大総長・南原繁を主人公にした『夏の坂道』を出版している。この傾向は、加速していくだろう。時代に合わせた変化がなければ、ジャンルが淀(よど)んでしまうのだから。

 もっとも今年の作品を見れば、心配する必要はないかもしれない。佐藤賢一は西洋歴史小説、原田マハはアート・フィクションと、自分の得意分野で優れた物語を書き上げた。大名の計画倒産というアイデアに仰天した浅田作品や、金策に走り回る大野藩士を主人公にした畠中作品は、現代の社会と通じ合う快作だ。木下作品はファンタジーの要素を大胆に入れ、独自性を示した。木内作品は、国家と外交の在り方を活写している。

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