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村上春樹をめぐるメモらんだむ

「世界文学」としての存在感 早大シンポジウムの熱気の中で

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パネルディスカッション「村上春樹と『翻訳』」で討議する(左から)柴田元幸、川上未映子、マイケル・エメリック、辛島デイヴィッドの各氏=早稲田大学国際会議場井深大記念ホールで2019年11月28日(早大提供)
パネルディスカッション「村上春樹と『翻訳』」で討議する(左から)柴田元幸、川上未映子、マイケル・エメリック、辛島デイヴィッドの各氏=早稲田大学国際会議場井深大記念ホールで2019年11月28日(早大提供)

 「『世界文学』という言葉をどんなふうに定義しても、村上春樹は世界文学です」

 マイケル・エメリック米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)教授の力強い発言に、会場を埋めた約400人の聴衆から拍手が湧き、シンポジウムは締めくくられた。

 11月28日夜、東京都新宿区の早稲田大国際会議場井深大記念ホールで行われた「村上春樹と国際文学」をテーマとするシンポジウムは、同大に2021年春完成予定の国際文学館(通称・村上春樹ライブラリー)オープンに向けての最初の記念企画だった。この催しに村上さん本人は出席しないことが事前に明らかにされていたにもかかわらず、1000人を超える申し込みがあり、大学では抽選に外れた熱心なファンのため構内の教室に別会場を用意し同時中継するほどだった。

 2部構成で、第1部では村上さんの長編小説を原作に故・蜷川幸雄さん(16年没)の演出で12年以降、日本とロンドン、ニューヨーク、シンガポール、ソウルなどで公演を重ねてきた舞台「海辺のカフカ」の一部の場面が特別上演された。第2部は「村上春樹と『翻訳』」をテーマに、米文学者・翻訳家の柴田元幸さんの司会で、作家の川上未映子さん、日本文学研究者・翻訳家のエメリックさん、作家・翻訳家で早大准教授の辛島デイヴ…

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