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余録

「ばか」はサンスクリット語に由来するというが…

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 「ばか」はサンスクリット語に由来するというが、「馬鹿」の字があてられたのは「史記」にある中国の故事からという。秦の2代皇帝、胡亥(こがい)に丞(じょう)相(しょう)の趙(ちょう)高(こう)が「これは馬です」と言って鹿を献じた例の話である▲胡亥は「これは鹿ではないか」と左右の群臣に問うたが、多くは趙高におもねって「馬です」という。奸臣(かんしん)の趙高の狙いは群臣の自分への忠誠度を試すことで、この時に「鹿です」と言った者は後に彼によって粛清されることになった▲指鹿為馬(しろくいば)(鹿を指して馬となす)という次第だが、趙高の陰謀によって帝位についた胡亥もばかにされたものである。だが「公文書のバックアップデータは公文書にあらず」と官房長官に言われた国民もかなりばかにされていないか▲首相の「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄したと政府が答弁した5月、実はバックアップデータがあったというのだ。国会が提出を求めた文書にこんな強弁を用いられては、公文書による行政の公正の担保(たんぽ)も何もあったものではない▲そもそも功労者を遇する会の招待者名簿を、秘匿(ひとく)すべき個人情報だというのが「指鹿為馬」でないか。首相の公私混同や怪しい招待者が注目される桜を見る会だが、真相をたどると公文書管理の問題に行き着くおなじみのパターンだ▲秦と異なり、居並ぶ役人からも、丞相を出した朋党(ほうとう)からも「これは鹿だ」の声が上がらぬ令和日本である。公文書で真実を検証できない世を放置していては、次世代から「馬鹿」のそしりを受けかねない。

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