免許返納したけどつい…高齢者の事故、無免許運転相次ぐ 「しぶしぶ返納」多く

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昨年12月に80代男性が逮捕された現場周辺。乗用車で道路脇の看板にぶつかり無免許運転が発覚した=北九州市八幡西区で2019年11月26日午後7時23分、津島史人撮影
昨年12月に80代男性が逮捕された現場周辺。乗用車で道路脇の看板にぶつかり無免許運転が発覚した=北九州市八幡西区で2019年11月26日午後7時23分、津島史人撮影

 高齢者が運転免許証の自主返納後や認知症で免許を取り消された後に車を運転し事故を起こしたり、無免許運転で検挙されたりするケースが相次いでいる。認知症の影響で免許がないこと自体を忘れているケースも多いとみられるが、日常生活が不便になり、ついハンドルを握ってしまう人も少なくないようだ。【中里顕、一宮俊介、津島史人】

 北九州市八幡西区の飲食店街で昨年12月の深夜、市内の80代男性が乗用車を運転し、駐車場を出ようとして道路脇の看板にぶつかった。パトロール中の警察官が目撃して事情を聴いたところ、無免許だったことが発覚し、男性は道路交通法違反(無免許運転)容疑で現行犯逮捕された。

 関係者によると、男性は認知症を患っており、この数カ月前に免許の取り消し処分を受けていた。しかし、男性は経営する飲食店の従業員を送迎するため免許取り消し後も運転を続けていたとみられ、この日も従業員を家に送るところだった。徳島県阿南市では昨年6月、認知症で免許を取り消された70代の女性が無免許運転で罰金刑を受けた。

 群馬県太田市で今年6月に通学中の男子高校生を軽トラックではね、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)容疑で逮捕された80代男性の場合は免許証を自主返納していた。グラウンドゴルフ大会に参加しようとしたが、その日に限って返納後の送迎を担っていた親族がいなかったという。男性は取材に「たまたまそういう境遇に陥っちゃった」と言葉少なに語った。

 岩手県滝沢市でも8月、やはり免許証を返納していた80代男性が軽トラックを運転して買い物に行く途中にバイクと衝突事故を起こした。男性は取材に「運転できないのは不便だ」と訴え、免許証を返納したことへの後悔をにじませた。

 高齢ドライバーによる重大事故が相次ぐ中、警察は免許証の自主返納を促しており、昨年自主返納した65歳以上のドライバーは過去最高の40万6517人に達した。昨年6~7月に自主返納した1000人を対象にした警察庁のアンケートでは…

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