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余録

「ちいさな子どもが/クスッと笑うと/草の実が…

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 「ちいさな子どもが/クスッと笑うと/草の実が ぱちん! とはじけます/クスクスッと笑うと/木(こ)の葉(は)がゆれて/ひかりが こぼれます」。新川和江(しんかわ・かずえ)さんの詩「子どもが笑うと…」は、さらに次のように続く▲「クスクスクスッと笑うと/もう誰だって/いっしょに笑わずにはいられない/朝の空気も 牛乳びんも/石段も 風も 遠くの海も」。そこに居合わせたすべての人を、そして世界を祝福してくれる小さな子どもたちの笑いである▲こんな子どもの笑いが、一つの社会からどんどん失われていくとしたらどうだろうか。今、日本で起こっている少子化とは、つまりそういうことだと想像力を働かせねばなるまい。失われるのは大人たちの生きる世界への祝福である▲今年の出生数が90万人を割るとの見通しがとりざたされる中、衛藤晟一(えとう・せいいち)少子化担当相は87万人を下回る可能性に言及した。90万人割れは1899(明治32)年の統計開始以来初、再来年と見込んでいた想定より2年早まることになる▲正式の出生数推計値は今月下旬に公表されるが、9月までの統計で前年比マイナス5・6%とは衝撃的な落ち込みである。働く女性の出産、働く父母による育児の環境を整え、支援する営みなしには民間企業も未来が描けなくなろう▲「すべての赤ちゃんは神が人間に絶望していないというメッセージを携えて生まれてくる」。詩人・タゴールの言葉である。私たちは、その笑みによる祝福をこの世に育み続けることができるだろうか。

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