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社説

NHK会長交代 政権との距離保つべきだ

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 NHKの次期会長に、みずほフィナンシャルグループ元会長の前田晃伸(てるのぶ)氏が選ばれた。

 来月に任期満了となる上田良一会長続投との観測もあった。会長交代の理由は何だったのだろうか。

 上田会長は、トップとしての資質を問われる言動を繰り返した籾井勝人前会長時代の混乱を収拾した。

 インターネット時代を見据え、念願だった番組のネットへの常時同時配信に道筋をつけた。受信料値下げも実施するなど、局内外で評価する声があった。

 交代の背景にあるとみられるのが、かんぽ生命保険の不正販売を追及した番組を巡る問題だ。上田会長は日本郵政グループの抗議を受けた経営委員会から厳重注意された。

 経営委は「ガバナンス(企業統治)に問題があった」と強調するが、放送法が禁じる、経営委の番組編集権への介入との疑念は晴れていない。

 番組内容に誤りがあったわけではなく、上田会長は当初、郵政側の圧力ともとれる執拗(しつよう)な要求に抵抗していた。

 一方、官邸には、上田会長が政権批判の番組に十分には対応できていないとの不満もあったという。今回の新会長人事に、番組内容への影響力を強めようとの意図があったとすれば問題だ。

 前田氏は官邸との近さも指摘される。安倍晋三首相を囲む経済人が集う「四季の会」のメンバーだった。

 5代続けて外部の財界からの会長登用となるが、権力を監視する報道機関のトップとして、政権と距離を置き、公共放送の理念を貫く姿勢を示すべきだ。

 NHKは、業務の見直し、受信料のあり方、ガバナンスの強化という「三位一体」の経営改革が積年の課題だ。ネット業務拡大を含め、肥大化への批判も根強い。

 総務省から再検討の要請を受け、今年度中に開始予定だった常時同時配信を来年4月にずらし、ネット活用業務費の上限も大幅削減する方針を公表した。

 昨年度は受信料収入が初めて7000億円を超えた。受信料の適正化も含め、新会長の手腕が問われる。

 災害が増加し、正確で迅速な報道にNHKへの期待も高い。視聴者の信頼こそが、公共放送の生命線だ。

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