東京五輪・パラリンピックは会場が1都1道8県の43カ所にまたがる分散型だ。警備の対象はかつてないほど広範囲に及ぶ。攻撃対象としての五輪は、メイン会場よりその周辺、開催中より開催前が狙われやすい傾向がある。限られた資源をどう配置するか。「五輪防衛戦」は始まっている。
「五輪は最高度の注目が集まり(攻撃者にとっても)宣伝効果がある」。東京大会の組織委員会幹部が警戒感を示す。さらに標的となりうる「周辺」は、五輪史上かつてないほど広い。しかも最寄り駅から会場までの道のり(ラストマイル)や、競技の様子を大画面で映すライブサイト(全国30カ所)は大混雑が予想される。「警備の対象が増え、ソフトターゲットを守るという点で課題だ」(組織委幹部)
市民や非軍事施設などのソフトターゲットを狙うテロは、東京五輪の主要な脅威の一つだ。東海道新幹線の車内で昨年6月、乗客3人が切りつけられ死傷した事件など、国内でも近年、組織に属さないローンウルフ(一匹オオカミ)型によるソフトターゲットへの攻撃が相次いでいるためだ。米アトランタ五輪(1996年)では、政府に批判的な男が競技場近くの公園に爆弾を仕掛け市民2人を殺害、110人以上に重軽傷を負わせた。ある…
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