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日中韓漫画三国志

「鏢人」 日本人スゴ腕マンガ編集者が出会った中国の新人作家 日韓にも進出

中国漫画「鏢人」の第1ページ(左、©許先哲 新漫画/少年画報社)。作者の許先哲さん(右)が苦心の末にたどり着いた画面だ=中国福建省アモイで11月11日、河津啓介撮影

 「俺は刀馬(とうま)だ。覚えてくれても、覚えなくても、名前なんざどうでもいい」

 眼光鋭い男が、人を食ったような言葉を吐く。中国のメガヒット漫画「鏢人(ひょうじん)」は1コマ目から読者を引き込む。その評価は国境を越え、日本や韓国で単行本が出版されている。高橋留美子さん(代表作「うる星やつら」)、藤沢とおるさん(同「GTO」)ら日本の人気漫画家も称賛した。

 物語の舞台は、7世紀の中国・隋王朝。賞金稼ぎの刀馬を主人公に、王朝内の陰謀や少数民族の興亡が絡む。独学で磨いた圧倒的な画力と深い世界観が支持された。中国ではインターネットで無料配信されているにもかかわらず、単行本が第1巻だけで100万部以上売れた。中国で根強い「漫画は子どもの読み物」との固定観念を覆した。

 連載が始まったのは2015年。漫画配信アプリ「新漫画」を通じてだった。当時、作者の許先哲(きょせんてつ)さん(35)は挫折続きの人生から再起をかけた遅咲きの新人。担当編集者は、日本の双葉社を定年退職後に「新漫画」に招かれた栗原一二(かずじ)さん(67)だ。世代も国籍も違う2人が追い求めたのは、漫画界を驚かす「究極の第1ページ」だった。

 日中の漫画人が手を組んだ「鏢人」はいかに世に出たか。その過程を知りたいと、「新漫画」の拠点があり、作者が暮らす中国南部・福建省アモイを訪ねた。

 アモイは台湾海峡に面する温暖な気候で、古い洋館が並ぶ国内有数の観光都市だ。空港からタクシーで中心部に向かうと、運転手が誇らしげに語った。「習近平国家主席はアモイの副市長だったんだよ」

 最初に会ったのは、「新漫画」…

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