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社説

セブンの残業代未払い 現場軽視の体質が極まる

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 収益拡大に目を奪われ、コンビニを支える現場の人をないがしろにする企業体質があるのではないか。そう疑わざるを得ない事態だ。

 業界最大手、セブン―イレブン・ジャパンが加盟店で働くアルバイトやパートの残業代などの一部を長年、支払っていなかった。

 本部が代行する給与計算の算定式のミスが原因で、今年9月に労働基準監督署が指摘するまで気づかなかったという。対象は記録が残る直近の7年9カ月分だけで約3万人、計約4億9000万円にのぼる。

 未払いは1970年代から続いてきた可能性がある。労基署は2001年にも別の残業代算定ミスを指摘していた。にもかかわらず、本部は公表せず、算定式を変えただけで、過去の未払い分を放置したという。

 01年以前の未払いの内容や規模は不明で、当時会長だった鈴木敏文氏はセブン側の聞き取りに「全く承知していなかった」と語ったという。

 40年以上も残業代がきちんと払われていないなら、現場軽視が極まる。加盟店主は「人手確保が一層厳しくなる」と不安を強めている。

 セブンの永松文彦社長は記者会見で「あってはならないことだ」と強調したが、全容解明のための第三者委員会の設置などの方針は示さなかった。経営責任も自身の報酬を3カ月間10%返上するという生ぬるい内容にとどまった。

 セブンはこの1年、24時間営業をめぐる加盟店主側との対立や、安全対策が不十分なまま見切り発車したスマートフォン決済「7pay(セブンペイ)」の不正アクセス問題など失態を重ねてきた。

 経営陣はそのたびに「今までのやり方を抜本的に見直す」と約束した。だが、24時間見直し問題でも、時短営業を認めたコンビニ店舗は他社に比べて格段に少なく、時代の変化に応じた改革への覚悟が見えない。

 親会社のセブン&アイ・ホールディングスはコンビニ事業の好調を背景に今年8月中間期も過去最高益となった。それだけに今のビジネスモデルを温存したいのだろう。

 しかし、残業代の未払いや時短は現場にとって深刻な問題だ。真正面から向き合わなければ、働き手や顧客に不信が広がり、成長路線も行き詰まることを自覚すべきだ。

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