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さあこれからだ

医師で作家の鎌田實さんが世界各地で出会った人々とのエピソードから、温かく力強いメッセージを届けます。

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/169 認知症に負けない生き方=鎌田實

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樋口直美さんと=東京都内で、鎌田さん提供
樋口直美さんと=東京都内で、鎌田さん提供

 最近、認知症の当事者に直接話を聞く機会を得た。1人は、樋口直美さん。先月、ぼくが委員代表を務める「がんばらない介護生活を考える会」などが築地本願寺本堂で開いた介護の日セミナーに、ゲストで来ていただいた。4年ぶりに再会したが、時間の経過をまったく感じさせず、若々しくはつらつとしていた。

 樋口さんは、レビー小体型認知症を患っている。レビー小体型認知症は、認知症全体の20~25%を占めるといわれる。最近は、病名こそ知られるようになったが、アルツハイマー型認知症で起こるような「もの忘れ」はあまり目立たず、うつ病やパーキンソン病などと間違われることも多い。樋口さんも41歳のとき、うつ病と誤診され、治療によって急激に悪化した。薬の副作用で6年間苦しみ続けたという。

 レビー小体型認知症の特徴的な症状は「幻視」。彼女も、乾燥ワカメが歩くクモのように見えたという。最近は、時間感覚の障害が目立つ。いま何月かわからない。30分を5分くらいに感じてしまう。体内時計も乱れがちだ。矢印の指す方向や地図も読めなくなった。自律神経障害も起こり、血圧が急に上がったり下がったりしているという。

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