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新聞記者、銃をとる

この連載で狩猟の醍醐味(だいごみ)を味わおうとか、ましてハンターの英知を学ぼうと考えている人には、期待を裏切ること間違いない。しかし、ハンターの世界を少しのぞいてみたい、悪戦苦闘のエピソードを楽しみたいという人にはぜひ、お付き合いをお願いしたい。

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新米猟師奮闘記/25 味と難易度、カモの最高峰 /滋賀

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作画=マメイケダ
作画=マメイケダ

 「あっ、いた。アッ、アッ……アオクビだ」

 アオクビとは、マガモの雄のことである。首から頭にかけて青とも緑とも言えない色で輝いて見える。くちばしも、ほとんどレモン色のような鮮やかな黄色である。その味はカモの中でも最高とされるのだが、なかなか猟に出ても出会えない。だから、その姿を見た途端、あこがれの彼女に街でいきなり出くわしたときのように、一気に緊張感が高まってしまう。

 カモ猟を始めて3年になるが、恥ずかしながら私はまだ、一度もアオクビを捕ったことがない。こちらの緊張感が、なぜか向こうにも伝わるようだ。姿を見た瞬間に体を低くし、いったん回れ右をして草木の陰に隠れながら再びカモに近づこうと思うのだが、回れ右をして10歩ほど進んで振り返ったときには、カモはすでに上空高く、シルエットと化していたという経験は1度や2度ではない。アオクビはカモの中でもとびきり神経質で近づ…

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