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平松 洋子・評『薪を焚く』ラーシュ・ミッティング/著

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過酷な冬を生き抜く人々の自然と対話し、自然を尊ぶ営み

◆『薪を焚く』ラーシュ・ミッティング/著 朝田千惠/訳(晶文社/税別3300円)

 薪(まき)を、自分で割ったことはない。でも、外で薪を焚(た)いたことはあり、薪の火には何度も温めてもらった。雪のちらつく山小屋に泊まった数日間は、薪は命綱そのものだと知った。もしも薪が絶えたら孤立して凍える。床下の薪の数を把握し、計算しながら使うことを覚えた。

 本書は、ノルウェーの作家による〝オールアバウト薪〟。薪にまつわる実用と知見がぎっしり詰まった一冊は、薪を生活必需品とする北欧の人々の心に火を点(つ)け、ノルウェーとスウェーデンで二十四万部を記録した。二〇一六年、イギリスでは〝The Bookseller〟誌の「最優秀ノンフィクション大賞」に選出されている。このたびの邦訳版に出会って私も身を起こし、さっそく読んだ。じっさいに薪割りをしなくても、火…

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