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<『中央公論』は「ありのままで」を唄えない>と題する一文を当欄に書いたのは、2014年6月のことだ。当時、大ヒットしていた「アナと雪の女王」の批評を『中央公論』誌に依頼されて寄稿したら、掲載拒否された。なんと電話一本で!? 明確な説明もないままに。顚末(てんまつ)を当欄で明かし、掲載拒否原稿をインターネットで公開すると、大騒動となる。ネット上では論議を呼び、各種メディアに取り上げられ、朝日新聞の論壇時評にて高橋源一郎氏が言及してくれた。
私の論旨はこうだ。「アナ雪」は雪の女王エルサと妹アナの姉妹の物語に見える。が、実はそれは一人の女性の内にある二つの人格ではないか? 雪の女王とは自らの能力を制御なく発揮する女性だ。彼女たちは幼少期から「女の子らしくないからやめなさい」と叱られ、自らの能力を封じ込め、王子様を待つ凡庸な少女アナとして生きるしかない。テーマ曲「レット・イット・ゴー」が「ありのままで」と訳され大ヒットした。王国を追放さ…
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