連載

私の体はテレビでできている

早稲田大演劇博物館館長を務める岡室美奈子教授が、過去や現在の、ひょっとしたら未来のドラマの世界も旅しながら、折々のことを語ります。

連載一覧

私の体はテレビでできている

愛と平和が今年のテーマ

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <教授・岡室美奈子の私の体はテレビでできている>

 年内最後の回なので、2019年のドラマについて感じたことを書いておきたい。

 まず、今年際立ったのは“オタク女子”を取り上げたドラマが多かったことだ。1月期には、特撮ヒーローものにはまるオタク女性会社員を描いた「トクサツガガガ」が、7月期には地下アイドルに熱狂する女性会社員を描いた「だから私は推しました」が放送された。いずれもNHKで、質の高いドラマだった。両作のヒロインの女性たちは、特撮ヒーローや地下アイドルに熱中することが、周囲から理解されがたいために隠したりもするが、最終的にそのことが肯定され、むしろフィクションやアイドルの存在によって力を得ていく。こうしたオタク愛は社会の役に立たないもののようだが、実は今の世の中に欠けている想像力を豊…

この記事は有料記事です。

残り527文字(全文877文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集