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余録

今、「シンクロニシティー」という言葉は…

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 今、「シンクロニシティー」という言葉は乃木坂46のヒット曲のおかげで世の中に広く知られている。だが、翻訳すると「共(きょう)時性(じせい)」という小難しい言葉になるのは、心理学者のユングが用いた専門用語だからだ▲「虫の知らせ」というように、お互いに因果関係もないのに意味のつながった出来事が同時に起きることを指す言葉で、「同時発生」という訳もある。ユングはそこに個々人の意識の奥底にひそむ「集合的無意識」の存在を想定した▲では、こちらのおびただしい数の不正の同時発生は一体いかなる“集合的無意識”の産物なのだろう。かつて日本郵政のトップがノルマが原因という指摘に反論し、情報が上がってこなかったと釈明したかんぽ生命の不正販売である▲虚偽説明などの法令違反、家族の同席なしの高齢者への販売など社内規定違反が疑われるケースは過去5年間で約1万3000件という。不正の同時発生は、超常現象でなければ過大ノルマと底の抜けた企業統治の招いたものだろう▲すでに昨春にはNHKが不正営業を報道していた。なのにかんぽ生命と日本郵便、2社を監督すべき日本郵政の経営トップはこの期に及んでの記者会見でも自らの進退について明言をしていない。経営者の責任感覚も底が抜けていた▲顧客を食い物にする“集合的無意識”をつちかったのは、官民それぞれの悪い半分を組み合わせたような半官半民の企業風土だろう。抜本的企業改革なしには脱却できない不正のシンクロニシティーである。

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