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余録

どんな事業でももうかるビジネスに変える能力を…

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 どんな事業でももうかるビジネスに変える能力を「ミダス・タッチ」という。そう、手に触れるものすべてを黄金に変える力を神に求め、それがかなったフリュギアのミダス王の話に由来する言葉である▲ちなみにこのミダス王、触れた食べ物も金に変わるので困り果て、元通りに戻すよう神に願うはめになる。貪欲(どんよく)をみごとに戒めた説話だが、ミダス・タッチを金もうけの才と解釈し直し、うらやましげに語る人間のさがは変わらない▲さて、ものを作るでも商(あきな)うでもない。ミダス王よろしく労せずして大金をつかみたいという人々の欲望を自分らのもうけに変える現代のカジノ業だ。これぞ欲望の王の中の王、そのミダス・タッチは人や社会をどう変えていくだろう▲統合型リゾート(IR)でのカジノ解禁でそんな心配をしていたら、IRを推進してきた自民党議員の事務所が検察の家宅捜索を受けた。IR事業参入を図る中国企業が多額の金を国内に不正に持ち込んだ容疑に関連した捜査らしい▲議員はIR担当の副内閣相などを歴任、IR法案可決当時の内閣委員長だった。中国企業は北海道などのIR誘致に関心を示し、議員と接点もあったようだ。誘致の賛否が注目されていたIRに、にわかに立ちこめた疑惑の霧である▲IRには今後も米国や香港などの大手カジノ業者が参入を競うことになろう。個々人のギャンブル依存症の心配だけでない。社会の健全までも金に換えられはしないかが気がかりなIR業者のミダス・タッチだ。

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