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社説

総務事務次官を更迭 郵政との癒着徹底解明を

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 行政の信頼を大きく揺るがす深刻な不祥事だ。

 高市早苗総務相は総務省の官僚トップの鈴木茂樹事務次官を事実上、更迭した。同省がかんぽ生命保険の不正を巡って、日本郵政グループに年内に下す予定の行政処分の検討状況を日本郵政側に漏らしていた。

 漏らした相手は、元総務事務次官で日本郵政上級副社長の鈴木康雄氏という。鈴木副社長が同省先輩の立場を利用して処分内容を事前に聞き出した疑いが否定できない。

 高市氏によると、省内の幹部会議などの詳細が鈴木副社長に漏れているとの情報が寄せられた。内部監察をしたところ、鈴木次官が漏えいを認めたという。

 かんぽ不正では、顧客に不利益を被らせた法令・社内規定違反が疑われる契約が過去5年で1万3000件近くにのぼっている。被害者の7割超は中高年層で、郵便局への信頼を逆手にとった悪質さが際立つ。

 郵便局の信用を失墜させた重大事である。監督官庁の総務省は厳しい行政処分を検討してきた。

 にもかかわらず、日本郵政の長門正貢社長ら経営陣はいまだに経営責任を明確にしていない。中でも、鈴木副社長の強気の対応ぶりは突出していた。

 かんぽ不正問題の特集番組を放送したNHKの取材手法を「まるで暴力団」と批判した。NHKに抗議した際には、元総務事務次官の肩書を強調していた。その言動は異様にさえ思えるほどだった。

 鈴木副社長が次官OBとしての影響力を背景に、総務省の後輩と癒着していたなら、言語道断だ。

 高市氏は「公務の中立性を損なう信用失墜行為で、誠に残念だ」と陳謝した。だが、今回は郵政行政や郵政民営化の健全性を疑わせる事態だ。次官の辞任で済む話ではない。

 日本郵政グループには鈴木副社長以外にも総務省出身の役員がいる。同省は情報漏えいが今回だけなのか、徹底的に解明すべきだ。日本郵政は鈴木副社長がどんな情報を入手したかを説明し、処分を検討する必要がある。

 高市氏は総務省OBが日本郵政グループ役員に就くことを「好ましくない」と明言した。ゆがんだ関係にけじめをつける時だ。

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