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ポスト「冷戦後」のかたち

1989年12月3日、米ソ首脳はマルタ会談で冷戦終結を宣言した。あれから30年。米国を中心とする西側が築いたはずの国際秩序は揺らぎ、新たな対立や分断が生まれている。混沌(こんとん)としたこの冷戦後の時代のその後(ポスト)に、私たちを待ち受けているのはどんな世界なのか。

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ポスト「冷戦後」のかたち

ロシアと新たな対立 NATO、米欧亀裂で問われる存在意義

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北大西洋条約機構(NATO)のサイバー演習で、スクリーン上の「敵」と戦う兵士たち=エストニア中部タルトゥで2019年12月5日、三木幸治撮影
北大西洋条約機構(NATO)のサイバー演習で、スクリーン上の「敵」と戦う兵士たち=エストニア中部タルトゥで2019年12月5日、三木幸治撮影

 欧州では冷戦期、米国と西欧が「北大西洋条約機構(NATO)」、ソ連と東欧が「ワルシャワ条約機構(WTO)」というそれぞれの軍事同盟を結成し、激しくにらみ合った。冷戦終結後にWTOは解散。一方のNATOは勢力を東方に拡大していった。しかし今、大国復活を目指すロシアはこの地域で軍事的影響力を再び増大させる。厳しさを増していくNATOとロシアとの対立は、「新冷戦」とも呼ばれている。

進む「ハイブリッド攻撃」対策

 12月5日。エストニア中部タルトゥの軍事施設で、軍服姿の兵士たちが真剣な表情でスクリーン越しに「敵」と向かい合っていた。NATOが「世界最大規模」とうたうサイバー演習。加盟国を中心に31カ国1000人が参加した。「加盟国は日々数え切れないほどのサイバー攻撃を受けている。NATO内でサイバー防衛の水準を均一化し、有事に素早く対応できるようにしなければ」。参加者の一人、米海軍のロバート・バックルズ少佐が危機感をにじませた。

  演習は、選挙を終えた…

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