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毎日新聞

アスリート交差点2020

今を楽しむ 目標の「負けない選手」へ=卓球・伊藤美誠

 東京五輪の日本代表争いは今月のグランドファイナルで終わりました。代表争いは4年前にも経験しましたが、今回は気持ちが全然違います。リオデジャネイロ五輪は団体戦メンバーの3人に選ばれたらという気持ちでしたが、東京五輪は絶対に個人戦に出場したいという強い思いがありました。振り返れば、今年のテーマは「自分」でした。

卓球ワールドカップ団体戦女子決勝の中国戦で得点に声をあげる伊藤美誠=東京体育館で2019年11月10日、大西岳彦撮影

 1年間続いた代表争いは徐々に絞られ、途中からは私と石川佳純選手(全農)、平野美宇選手(日本生命)の上位3人がシングルスの2枠を狙う形になりました。精神的に大変でしたが、リオ五輪の経験が生きました。

 シングルス代表は世界ランキングで決まります。最初の頃、ポイントを獲得するには、例えばこの大会でベスト8入りしなければいけないと考えましたが、4月の世界選手権は3回戦で早々と負けて考え方をガラッと変えました。他の選手の試合も気になりましたが、そんなことを考えてもだめだと思い直しました。「自分」のこと、目の前の試合のことだけを考えるようになり、ランキングのことも考えなくなりました。それがよかったと思います。

 変わるきっかけは周りのアドバイスですが、変わると決めたのは「自分」です。松崎太佑コーチ、練習に同行する母、卓球関係者だけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでも多くの方々から意見があります。「絶対に見返してやる」と思うような内容もあるものの、わざわざ私のために時間を費やしてくれているのでありがたいです。全ての意見を100%聞く必要はなく、自分に合うものを取り入れたらいいと思っています。

 今年のワールドツアーは優勝1回、準優勝3回。目標である「負けない選手」に近づいたと実感できる年でした。底上げはできたので、今後はいかにいい状態で試合に臨めるかが大事。まだ中国選手は100%の力を出せないと勝てない存在です。来年は世界選手権や五輪もありますが、目標は今年と変わりません。目の前の一戦に勝つことだけです。

尊敬する人を教えてください。

 (言葉や姿が)グサッと突き刺さるのは同世代ですね。共感できます。(平野)美宇ちゃんだったり、(早田)ひなだったり。フィギュアスケートの(本田)真凜ちゃん、大好きなLittle Glee Monsterさんもそう。みんな自分らしく頑張っている。それぞれ違うけど似ている気がします。

伊藤美誠(いとう・みま)

 静岡県磐田市出身。2015年3月のドイツ・オープンでツアー史上最年少(当時)の14歳152日で優勝。16年リオデジャネイロ五輪団体銅メダル。18、19年全日本選手権3冠達成。スターツ所属。19歳。