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社説

安倍・ロウハニ会談 緊張緩和への努力継続を

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 安倍晋三首相がイランのロウハニ大統領と会談した。トランプ米政権のイラン核合意離脱で高まる中東の緊張緩和をどう図るか。両首脳の対話はこの半年で3回目だ。

 首相は「核合意の完全な履行」を求め、核開発拡大を自制するよう促した。これに対し、ロウハニ師は「一方的で非合理的な離脱を強く非難する」と米国の責任を強調した。

 また、首相は海上自衛隊を独自の情報収集目的で中東に派遣すると説明した。ロウハニ師は理解を示す一方、ホルムズ海峡の安全確保に関するイランの構想への支援を求めた。

 認識に隔たりはある。だが、率直な意見交換には意義があろう。緊張を高めない努力の継続が必要だ。

 米国とイランは互いに手詰まり状態にある。米国は経済制裁を再開しイラン産原油の全面禁輸などで「最大限の圧力」をかけ続けている。

 だが、高圧姿勢は支持を得られず、ペルシャ湾での有志連合に同調も広がらない。むしろ核開発を主張するイラン強硬派を勢いづかせた。

 イランは制裁による国内経済の低迷が深刻化している。原油輸出の収入は約8割も減少し、困窮する市民の反政府デモが各地で起きている。

 イラン支援策を欧州各国が実施すれば核開発を撤回する意向を示しているが、欧州はこれに反発し、逆に支援実施を難しくさせてしまった。

 安倍首相は会談で「地域情勢の安定化のためにできる限りの役割を果たす」と述べた。

 ロウハニ師の来日は国際的な孤立を回避する狙いがあったのだろう。日本はイランが暴発しない安全弁の役割を果たすことができるはずだ。

 事態打開には、米国とイランが対話の道を切り開くしかない。双方にパイプを持つ日本は粘り強い交渉でその接点を探るべきだ。

 中東情勢はますます複雑になっている。米国はサウジアラビアやイスラエルとの関係を強化してイラン包囲網を構築しようとしている。

 しかし、シリアからの米軍撤収方針はロシアやイランの台頭を招き、ロシアは米国と同盟関係にあるトルコやサウジとの連携を強めている。

 中東安定化には多角的な視点が要る。日本は欧州と連携した重層的な外交を展開すべきだ。そうでなければ地域の混迷は深まるだけだろう。

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