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メディアの風景

ネットは「分断しない」か 対話する穏健派確立を=武田徹

 新刊書「ネットは社会を分断しない」(田中辰雄・浜屋敏著、角川新書)が話題になっている。

 その書名を聞いて筆者がまず連想したのは江戸時代の儒学者・富永仲基の「加上」の説だった。たとえば人の本性について「善もあれば悪もある」という見方があれば、裏をかくように「性に善も悪もない」と述べる者が現れる。そこから「性は善なり」とあえて断定する者が登場し、対して「性は悪なり」と逆の主張が導かれる。こうして先人をしのぐために「何ものかを上に加える=加上する」ことによって学説は展開してゆくと仲基は考えた。

 冒頭の書籍についてもネットこそが社会を分断する元凶だと考える“常識”の逆張りをして耳目を集めようとしたのではと思った。だが読んでみれば大規模社会調査を踏まえた手堅い内容で、第一印象は誤解だった。ちなみに同書は既に過激な主張の持ち主だった人がツイッターの利用で更に意見を偏らせる分極化傾向も実は認めている。だが、そうしたケースは全体の2割程度と少なく、多数はネットで多様な意見に触れてむしろ「穏健化」…

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