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社説

膨張止まらぬ防衛予算 対米配慮のゆがみ限界だ

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 防衛費の膨張が止まらない。2020年度予算案では過去最大の5兆3133億円となった。

 ただし、これでも小さく見せかけた数字だ。並行して編成された19年度補正予算案に4287億円が計上された。当初予算額を抑えるため前年度の補正予算に前倒しする手法が近年、常態化している。

 米国から武器を購入する有償軍事援助(FMS)契約が安倍政権下で急増し、その支払いが後年度の財政を圧迫するようになったからだ。

 しかし、補正予算は突発的な災害などに対応するものだ。今回の補正にFMSの支払い1773億円が計上されたのは説明がつかない。

 その結果、19年度の当初予算と補正を合わせた防衛費は5兆7000億円に迫り、国内総生産(GDP)比は1%を上回る。同じ手法を今後も繰り返せば通年での1%超えがなし崩し的に続くことになる。

 背景にトランプ米大統領からの武器購入圧力があるのは明らかだ。FMS契約の予算額は19年度に7013億円まで膨らみ、20年度も4713億円が計上された。

 19年度のFMS契約を突出させた大きな要因は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」だ。導入決定を急いだにもかかわらず、配備地を決定できないまま、米側との契約だけが先行している。

 輸送機オスプレイは既に3機が陸上自衛隊に納入済みだが、配備地の調整が難航し、訓練は米国の海兵隊基地で行われている。

 戦闘機F35の大量購入を含め、いずれも首相官邸の主導で導入が進んだ経緯がある。運用方法は後付けで検討されているのが現状だ。

 防衛装備の開発・調達には時間がかかる。10年先を見通した戦略的・体系的な防衛力整備が求められるのに、トランプ政権への過剰な配慮がそれをゆがませている。

 北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の台頭でアジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増しているというのはその通りだ。自国第一主義を強める米国はさらなる軍事負担を同盟国に求めてくるだろう。

 日本に対しては米軍駐留経費の大幅な負担増も要求する構えをみせている。その場しのぎの対応は限界を超えつつあると考えるべきだ。

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