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全国高校駅伝

新伝説、仙台育英 男女V、時代開く(その2止)

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 ◆女子レース経過

 3人が区間賞の仙台育英が総合力で上回った。1区終盤で小海が先頭に立ち、2区で3位に後退したが、3区の清水が区間賞の走りで逆転しトップ。4、5区でもリードを広げた。1区で14位と出遅れた神村学園は2区のバイレが13人抜きの快走。3区終盤まで先頭を守ったが、その後は仙台育英に引き離されて2位に終わった。3位は全員が区間順位1桁と安定の走りをした筑紫女学園。興譲館は2区・ワングイの10人抜きの活躍で4位に入った。青森山田はアンカーのエリザベスが区間1位の走りで5位に浮上した。

1区勢い、3区逆転

 3区から4区につなぐ第3中継所直前。仙台育英の清水が優勝候補・神村学園の黒川を抜き去り、トップに躍り出た。「(神村学園に)10回に1回勝てるかどうか」と思っていた釜石監督が優勝を確信した瞬間だった。

 後半勝負を想定していた釜石監督にとって、2区間を残しての逆転はうれしい誤算だった。立役者になったのは1区を担った2年生の小海だ。5・5キロ付近で和歌山北の小倉と先頭に立つと、一度は引き離されながらも中継所直前で抜き、トップでたすきをつないだ。「勢いをつけるためにも区間賞を取りたかった」と小海。1区14位と振るわなかった神村学園に34秒差をつける快走だった。2区での後退は想定内。抜かれた神村学園との差はわずか6秒しかなく、実力者の木村を最終5区に配置した仙台育英にとっては、まさに理想的なレース展開だった。

 28回目の出場にして、初めて日本選手だけで挑んだ大会は新たな挑戦でもあった。エース格だったケニア人留学生のムソニが8月に右大腿(だいたい)骨を骨折。全治1年の重傷で、チーム内に暗い空気が広がった。釜石監督も、その後の合宿で「(都大路優勝の)目標を変更するか話し合ってくれ」と選手に伝えたほど。だが、選手たちがミーティングで出した結論は「優勝を狙う」だった。

 主将で5区の木村は「(ミーティング以降)目的意識を持って練習するようになった」と明かす。さらに学年の垣根を越えて話し合ったことで「仲間意識が芽生え、チームが一つにまとまった」。小海も木村からアドバイスを受けて、今月に入り1年ぶりに自己記録を更新するなど急成長した。神村学園に敗れ、連覇を逃した前回大会から丸1年。チームの危機を乗り越えた先に、2年ぶりの栄冠が待っていた。【大東祐紀】

神村学園、出だし遅れ

 神村学園が連覇以上に意識したのは、都大路の歴史を塗り替えることだった。「今までと違う勝ち方で(大会)記録にチャレンジした」と有川監督。高校総体1500メートル覇者のケニア人留学生、バイレを2区に起用して先行逃げ切りを狙ったが、出だしから連覇のシナリオに狂いが生じた。

 チームは仙台育英を徹底マークしていた。1区での差を10秒以内と想定していたが、木之下が遅れ、34秒差に。「緊張でメンタルをコントロールできなかった」と木之下。たすきを受けたバイレは快走したが、前半から飛ばしたために「最後1キロがきつかった」。

 区間2位の力走でトップに立ったものの、設定タイムの12分15秒から10秒遅く、仙台育英との差は6秒しか広がらなかった。有川監督は「(バイレは)目に見えないところで力んでいた」と指摘した。

 全5選手が2年生。バイレの2区起用で生み出した「貯金」で、精神面での負担を減らす意図もあった。しかし、思ったより差がつかず、不安の連鎖を生んでしまった。

 アンカーの主将・中須は「来年は(他選手が)走っている背中を見たくない」。涙が乾いた後、目には闘志が宿っていた。【生野貴紀】

筑紫女学園復活

 筑紫女学園が優勝した2002年以来のメダル獲得で3位入賞。目標だった入賞を最高の形で成し遂げ、長尾監督は「大舞台で一番の走りをしてくれた」と選手たちをたたえた。2区の7位から徐々に順位を上げた。3位でたすきを受けたアンカーの永長は、一時は後続に追いつかれるも残り約1キロでスパート。3人で形成していた3位集団から抜け出し、「思った以上に足が動いた」とそのまま引き離してフィニッシュした。【丹下友紀子】

エリザベス区間賞

 女子の青森山田はアンカーのケニア人留学生・エリザベスが8人抜きの快走で区間賞を獲得。チーム順位を過去最高タイの5位に押し上げ、5年ぶりの入賞を果たした。1区の布施が10位でたすきをつなぐと、2区以降も「耐える走り」(大島監督)で順位を大きく落とさずにリレー。入賞圏内の8位まで30秒差でアンカーにつなぐ狙い通りの展開に持ち込むと、エリザベスは最初の1キロを3分を切るハイペースで駆け抜け、そのまま力強くフィニッシュした。

 大島監督は狙い通りの展開に「全員が力を出した。上出来」と満足そうだった。【石川裕士】

和歌山北が開花

 エースがそろう「花の1区」で和歌山北のピンクのユニホームが躍動した。仙台育英や神村学園といった強豪ぞろいの集団についていった小倉は「実は少しだけ区間賞を狙っていた」。残り約800メートルでギアを上げ、一度は仙台育英の小海を引き離したが、たすきを渡す直前にかわされた。「自分にはラストスパートがないから思い切って行ったけど悔しい」というが、「チームに勢いをつけられた」と満面の笑みだ。

 1年生で1区を走り24位だったが、昨年は右足の疲労骨折で走れなかった。「今年こそ」と1区を想定して上り坂を重点的に鍛え、苦手意識をなくした。過去33位が最高だったチームの順位も19位と大きく更新し、「みんなのために走れた」と喜んだ。【鈴木英世】

来年こそ興譲館

 3年連続の入賞を果たした興譲館。だが、藤井監督は「目指していたのは日本一。とても悔しい」と口を真一文字に結んだ。当初の想定が前半で崩れた。2区のケニア人留学生・ワングイでトップに立つ計算だったが、腰を痛めて走り始めたのは1週間前。12位から10人抜きも、2番手でたすきをつないだ。その後はじりじりと実力校に追い上げられ、4区の残り1キロ付近で5位に後退。アンカーの主将・落合が一つ順位を上げるのが精いっぱい。「来年こそは1、2年生が優勝してくれます」と落合。3度目の全国制覇を目指す戦いは続く。【村上正】

須磨学園届かず

 女子の須磨学園は2年連続で入賞したものの、目標の3位以内には届かなかった。4区・松尾が区間2位の好走で4位まで順位を上げたが、5区の樽本が伸びきれなかった。樽本は「中盤以降で集団についていけなかった。3位を狙える位置にいたのに力不足だった」と反省したが、浜本監督によると、寒さで持病の座骨神経痛が再発したという。浜本監督は「4区までにわずかなミスが積み重なり、樽本に負担をかけた」と悔しさをにじませた。【芳賀竜也】


女子の優勝回数上位5校

(1)豊川(愛知)   4回

 仙台育英(宮城) 4回

(3)埼玉栄(埼玉)  3回

 立命館宇治(京都)3回

 筑紫女学園(福岡)3回


女子区間賞と日本選手1位

1区(6キロ)

 小海遥(仙台育英) 19分29秒

2区(4.0975キロ)

 テレシア・ムッソーニ(世羅)☆12分15秒

(4)村松結(立命館宇治) 12分58秒

3区(3キロ)

 清水萌(仙台育英) 9分24秒

4区(3キロ)

 山中菜摘(仙台育英) 9分20秒

5区(5キロ)

 エリザベス・ジェリー(青森山田) 15分28秒

(2)木村梨七(仙台育英) 15分42秒

 ※丸囲み数字は順位、☆は区間新記録


女子歴代10傑

  学校       記録        大会

(1)埼玉栄(埼玉)   1時間6分26秒  96年全国大会

(2)神村学園(鹿児島) 1時間6分32秒★ 19年鹿児島

(3)仙台育英(宮城)  1時間6分35秒★ 17年全国大会

(4)興譲館(岡山)   1時間6分50秒  10年中国

(5)興譲館(岡山)   1時間6分54秒  05年全国大会

(5)豊川(愛知)    1時間6分54秒  13年全国大会

(7)埼玉栄(埼玉)   1時間6分56秒  96年埼玉

(8)埼玉栄(埼玉)   1時間7分0秒   97年全国大会

(8)仙台育英(宮城)  1時間7分0秒   19年全国大会

(10)立命館宇治(京都) 1時間7分6秒   07年全国大会

 (予選、地区大会を含む。★は留学生を含む記録)

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