メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

A級戦犯7人の最期見届けた教誨師、晩年の講演を書籍化

「A級戦犯者の遺言 教誨師・花山信勝が聞いたお念仏」(法蔵館)

 第二次大戦後に東京・巣鴨プリズンの教誨(きょうかい)師を務め、日本人で唯一、東条英機元首相らA級戦犯7人の最期を見届けた僧侶で仏教学者の花山信勝(しんしょう)(1898~1995年)。その晩年の講演録「A級戦犯者の遺言 教誨師・花山信勝が聞いたお念仏」(法蔵館)が12月、出版された。カセットテープに残された録音を文字に起こし解説を添えた編者の同朋大学非常勤講師、青木馨(かおる)さん(65)=愛知県碧南市=は「花山の伝えたかった平和を、今の社会に改めて問いかけたい」。7人の死刑執行から23日で71年になる。

 花山は浄土真宗本願寺派・宗林寺(金沢市)の住職で、東京帝国大助教授を務めていた46年に巣鴨プリズンの教誨師になった。収容されていた戦犯と対話を重ね、BC級27人もみとった。その体験を自著「平和の発見」で詳述したほか、講演を通じて平和への思いを発信した。

 青木さんの父で真宗大谷派・蓮成(れんじょう)寺(碧南市)の住職だった順正(じゅんしょう)さん(故人)は花山をたびたび寺に招き、青木さん自身も晩年の講演を聴いたことがある。テープは寺に残っていたもので、85年ごろに広島県内で花山が講演した際、その抜粋を改めてマイクの前で話し、録音したとみられる。

 青木さんは「戦争を知らない世代が増え、花山の存在も忘れられつつある。改めて今の平和の原点を見つめ直すことが大事ではないか」と書籍化を決めた。「肉声だからこそ伝わるものもある」とCDも付した。

 講演は、東条や土肥原賢二・元奉天特務機関長との対話や、仏教への思い、48年12月23日未明の7人の死刑執行時の様子などについて語っている。花山の著作などで知られている内容が主だが、青木さんは東条のある言葉に注目した。死刑判決後の同年12月2日、4回目の面会時に「人間の欲望というものは本性であって、国家…

この記事は有料記事です。

残り728文字(全文1507文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「鬼滅の刃」アニメ制作会社と社長を告発 1.4億円脱税容疑 キャラ店舗帳簿改ざん

  2. 巨人の複数選手、新型コロナ感染が判明 2選手か 練習試合中止

  3. 学校、公共施設で次亜塩素酸水の噴霧休止相次ぐ 厚労省「濃度次第で有害」

  4. 北九州市、再び分散登校へ 市立小中5校で12人の児童生徒感染

  5. 漫画で解説 アイヌってどんな民族?の巻

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです