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社説

高齢運転者の安全対策 実効性を高める仕組みに

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 高齢運転者の事故防止に向け、国の新たな対策が打ち出された。

 警察庁は一部の高齢者に運転免許更新時の実車試験を義務化する。自動ブレーキなど安全装置を備えた車の運転に限定した免許も新設する。

 国土交通省は自動ブレーキについて、2021年に新型車への搭載を義務づけ、段階的に拡大していく。

 運転者と車、それぞれで安全性を高めようという取り組みである。

 75歳以上の運転者による死亡事故は減らない。免許人口10万人あたりで昨年、75歳未満の2・4倍に上った。死亡事故の3割は操作ミスが原因だ。重大事故も後を絶たない。

 実車試験は75歳以上か、より事故率が高い80歳以上に実施する。教習所などで運転技術を採点し、基準に達しないと免許更新を認めない。

 運転制限には議論もあるが、加齢による操作ミスの恐れが高ければ、一定の条件はやむを得ないだろう。

 対象者は過去3年に事故歴や重い違反歴がある人に絞るという。75歳以上の免許更新者は毎年200万人以上いる半面、少子化の影響で教習所が減っているための措置だ。

 ただ、違反などがなくても重大事故を起こす可能性はある。既に70歳以上の免許更新時に行われている高齢者講習の充実が必要になる。

 一方、限定免許は高齢者の選択肢を増やすことになる。免許の自主返納は、生活の足が奪われるため抵抗感が大きい。昨年、75歳以上の返納者は、保有者の5%にとどまった。

 限定免許の前提になる自動ブレーキの義務化は、現行より厳しい国際基準に基づいて性能を認定する。

 自動ブレーキによって追突事故は5割減ったとのデータがある。それでも限界はあり、過信が疑われる事故は昨年101件起きた。メーカーによる性能のばらつきも課題だ。

 国交省は、アクセルとブレーキを踏み間違えた時の急加速抑制装置の性能認定制度も設ける。だが、高速走行中は作動しないため、自動速度制御装置などの開発が求められる。

 今回の対策を第一歩に事故抑止につながるよう、実効性を高める仕組みを考えていかなければならない。

 高齢者が自家用車に頼らず生活できる環境整備も欠かせない。タクシー代補助や相乗りの活用など地域の実情に合った手段を工夫すべきだ。

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