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余録

1918(大正7)年5月の大相撲夏場所は…

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 1918(大正7)年5月の大相撲夏場所は休場者が相次いだ。流行性感冒(かんぼう)によるもので世間は「相撲(すもう)風邪(かぜ)」と呼び、「力士病」ともいわれた。これが悪名高い「スペイン風邪」の日本における先がけとなった▲39万人が亡くなったスペイン風邪の日本での大流行は同年秋で、相撲風邪は後年「春の先触れ」と呼ばれる。この時は力士に死者はなく、大流行の際も相撲界では感染者が少なかった。予防注射の役割を「先触れ」が果たしたらしい▲相撲界と流行性感冒といえば、江戸時代に無敵をうたわれた横綱・谷風(たにかぜ)が「風邪」で亡くなったのも有名な話である。力士間の感染症流行は世の注目を集めてきただけに予防策は万全と思ったが、実際はそうでもなかったようである▲大相撲の十両・貴源治(たかげんじ)がインフルエンザに感染しながら、協会の指示で巡業の取組に出ていたとして問題になった。感染の報告が取組間際だったために対応できなかったというが、当然ながら今後は直ちに休養させる方針を確認した▲この巡業では関取ら約30人が感染、休場者が相次いでいたという令和版・相撲風邪である。今季のインフルエンザは流行開始が早く、最新のデータでも全国的な感染が例年に比べて広がっている。流行のピークは年明けとなりそうだ▲つい先日は長野県で小6女児がインフルエンザ脳症で亡くなった。子どもや高齢者らの命を守るためにも、感染を広げぬ努力にわずかな隙(すき)も作りたくない。令和版・相撲風邪からくみ取るべき教訓である。

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