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探究心に火をつけるポイントは「ガムとスルメ」 探究学舎代表・宝槻泰伸さん

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インタビューに答える探究学舎の宝槻泰伸代表=東京都三鷹市で2019年12月11日、手塚耕一郎撮影
インタビューに答える探究学舎の宝槻泰伸代表=東京都三鷹市で2019年12月11日、手塚耕一郎撮影

 東京都三鷹市にいっぷう変わった塾がある。ホームページでは「成績アップも合格も目指していません」と宣言し、その代わり「探究心に火をつけています」。そんなコンセプトに共感した親たちから支持され、約5000人が学んでいる。探究心に火をつける授業とは。「探究学舎」代表の宝槻泰伸さんに聞いた。

 ――子どもの探究心はどうすれば火がつくのでしょうか。

 ◆面白いからそれがやりたくなる、というふうに導くことです。そのために必要なのは驚きと感動を与えること。みんな、ディズニーランドに行きたくなるのは、そこにワクワク感があるからです。図鑑を広げたり、博物館に行きたくなったり、夢中でノートを取ったり、そうなれば探究心に火がついたということです。

 ――探究学舎ではどんな授業を。

 ◆宇宙について学ぶ授業では、例えば、地球がビー玉ぐらいの大きさなら月はどれぐらいかを考えさせます。そうすると「米粒ぐらいかな」と返ってくる。「正解! じゃあ太陽は?」。すると「サッカーボール」「スイカぐらいかな」。正解は……これぐらいあるんだよと言って天井に届くような巨大風船を教室に登場させる。「えーっ!」「太陽、すげえ」とみんな驚きます。そこで今度は「宇宙最大の星はどれぐらいの大きさか知りたくない?」。みんな一生懸命考えますよ。質問を続けると知りたくなるんです。「正解は東京ドーム」と答えを明かすと、また驚きがある。

 問いを投げて考えさせる。考える過程が大切で、考えたからこそ答えを知りたくなる。僕たちは試行錯誤を重ねた経験に基づきシナリオを作り、教室という空間でそれを演出しているわけです。

 ――家庭でもそれはできますか。

 ◆できます。例えば、ディズニー映画の「アナと雪の女王」を一緒に見る。見終わったら、「この映画を作ったディズニーのドキュメンタリー映画見る?」と声をかけるとか、ウォルト・ディズニーのマンガ伝記を買ってくるとか。ポイントはガムとスルメです。最初からスルメをあげるのはいけません。最初はガムがいい。口に入れた瞬間甘さが広がる。「アナと雪の女王」がガムですね。それで感動と驚きを味わわせてあげる。そうしたら今度はかめばかむほど味が出るスルメをあげる。ドキュメンタリーや伝記がそれです。

 例えば、スポーツ好きでラグビー・ワールドカップ日本大会の中継をよく見ていたお子さんだったら、1995年の南アフリカ大会で初優勝した南アフリカ代表の活躍を描いたラグビー映画「インビクタス 負けざる者たち」(2009年、米国)を勧めてみる。この映画はアパルトヘイトや人種和解がテーマになっています。いきなり子どもに「マンデラ大統領は何をしたのか」「人種差別とは」を教えようと思っても難しい。でもラグビー映画を通してなら子どもも抵抗なく理解できます。よく子どもを観察すること、そしてトライ&エラーしながらやっていくしかないと思います…

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