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桃田賢斗、初出場の五輪で「最高の恩返しを」

バドミントンのジャパンオープン男子シングルス決勝でシャトルを打ち返す桃田賢斗=東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで2019年7月28日、喜屋武真之介撮影

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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で躍進した日本代表のように、団体球技の一体感も魅力だが、個人で栄光を目指す選手の生き様も共感を呼ぶ。流行語大賞にも選ばれた「ワンチーム」。日本中の声援を一つに、東京五輪で活躍を誓う選手たちへ送ろう。

恩返しを誓う王者

バドミントン 桃田賢斗(25)

 五輪前年の2019年はワールドツアーや世界選手権、アジア選手権で出場した16の国際大会のうち、史上最多記録となる11大会で優勝した。世界に圧倒的な強さを見せつけ、絶対王者の風格が漂う。

 メダル候補で迎えるはずだったリオデジャネイロ五輪を4カ月後に控えた16年4月、違法賭博行為が発覚し、無期限出場停止処分を受けた。それでも練習環境は引き続き与えてもらった。感謝の気持ちを胸に、苦手だった走り込みに取り組んだ。17年5月に処分が解除され、18年は粘り強く拾う戦法で秋には世界ランキング1位に。さらに19年は動きのスピードを高め、先に仕掛けるスタイルに取り組み進化を遂げた。いずれも謹慎中に続けた地道な鍛錬が足腰の強さを生んだ。

 「(リオ五輪前は)応援してくれた方の信用を失ってしまった。東京五輪ではお世話になった多くの方へ最高の恩返しをしたい」。初出場となる五輪への決意は強い。【小林悠太】

復調のメダリスト

カヌー 羽根田卓也(32)

カヌー・スラローム日本代表選考会の男子カナディアンシングルで優勝した羽根田卓也=山口県萩市の阿武川特設カヌー競技場で2019年4月21日、徳野仁子撮影

 昨季までの2シーズンは、ワールドカップ(W杯)や世界選手権の表彰台から遠ざかった。しかし、東京五輪代表選考レースでは日本勢のライバルを寄せ付けず、最終選考会は海外勢がいる中で3位。久しぶりに国際大会の表彰台に立ち「身が引き締まった」と話す。

 2016年リオデジャネイロ五輪で日本勢初の銅メダルを獲得しても浮かれた様子はない。東京五輪を見据えて「現状維持は後退」と自らに言い聞かせ、課題のスピード強化に向けて試行錯誤に入った。世界のコースはゲート設定がさらに複雑になり、強化の軌道修正が求められたが無駄ではない。高い技術力を磨く重要性に気づけたことは大きな収穫だ。

 東京五輪は高い技術が求められるコースだが、「自分のこぎができればタイムも順位も出る」。やるべきことは明確で、「さらにいい色のメダル」に向けたラストスパートに突入した。【浅妻博之】

敗戦を糧に金狙う

空手 植草歩(27)

空手プレミアリーグ女子組手68キロ超級決勝で攻める植草歩(右)=日本武道館で2019年9月8日、喜屋武真之介撮影

 大学を卒業したら競技を引退するつもりだった。帝京大3年時に東京五輪の開催が決まって、運命が変わった。2016年8月に空手が「三度目の正直」で、五輪競技に採用。強さと美貌を兼ね備えた空手界の顔として、一気に注目される存在になった。

 直後の16年10月の世界選手権女子組手68キロ超級で初めて優勝し、殻を破った。「空手界を引っ張るのは私の役目」と自覚。筋力トレーニング、テコンドーなどに積極的に取り組み、17、18年は世界最高峰リーグの年間王者にも輝いた。昨夏のアジア選手権では初戦敗退も経験。海外勢のレベルアップで、五輪競技の競争の激しさを痛感している。

 持ち味の明るさで「この負けには意味がある」と前を向く。アクセサリーも金色にこだわり、五輪の頂点を目指してきた。「残りを悔いのないように過ごす」。覚悟を持って走り抜ける。【松本晃】

遅咲きの苦労人

レスリング 皆川博恵(32)

レスリング全日本選抜選手権女子76キロ級決勝で鏡優翔を攻める皆川博恵(手前)=東京・駒沢体育館で2019年6月14日、徳野仁子撮影

 32歳にして初めてつかんだ五輪への切符だ。「苦しいことも、耐えてきて良かった」。遅咲きの苦労人が乗り越えてきたのは、練習のつらさだけではない。

 2016年リオデジャネイロ五輪代表をかけた15年世界選手権は、直前にけがで辞退。その後の代表選考でも落選した。するりと抜け落ちたチャンスに、「引退」の2文字が頭をよぎった。

 だが、諦めることはできなかった。やめるか迷ったことで、逆に競技の面白さを再認識した。17年世界選手権で自身初の銅メダルを獲得。再び五輪へ挑戦しようと決めた。強力な投げやタックルがあるわけではない。組んで相手のスタミナを削り、勝機を見いだす「泥臭い」スタイル。地道に磨きをかけ、19年世界選手権で2位に上り詰めた。日本最重量級の五輪金メダルはまだない。苦しんだ分、夢舞台で最高の結果を出す。【倉沢仁志】

気負わぬレジェンド

ソフトボール 山田恵里(35)

ソフトボールのジャパンカップ決勝の米国戦に出場した山田恵里=宇津木スタジアムで2019年9月1日、大西岳彦撮影

 金メダルに沸いた2008年北京五輪から12年。夢舞台での競技復活が迫るが、日本ソフトボール界のレジェンドに気負いはない。「自分のプレーを出せれば結果はついてくる。本番が近づいても、自分のペースでやれたら」。泰然とした言葉が、いかにも経験豊富なベテランらしい。

 北京五輪決勝の米国戦で貴重なソロ本塁打を放ち、金メダルを引き寄せた。当時は24歳。東京五輪では主将として監督と選手の間に立ち、チームを束ねる。

 北京五輪後、ソフトボールは五輪競技から外れた。一時は気持ちが燃え尽きかけたが、18年に日本リーグ初の通算400安打を成し遂げ、昨年は通算200打点も達成。「続けてこられたのはいろいろな人の支えのおかげ」。12年ぶりの熱い夏は、恩返しの場でもある。【細谷拓海】

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