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詩の橋を渡って

この1年 言葉の灯火と=和合亮一(詩人)

12月

佐々木幹郎『鏡の上を走りながら』(思潮社)

高橋順子『さくら さくらん』(deco)

渡辺めぐみ『昼の岸』(思潮社)

君野隆久『声の海図』(同)

夏野雨『明け方の狙撃手』(同)

 秋に各地で台風の被害に見舞われた。私の暮らす福島にも強い雨と風が吹きつけた。建物や家屋などへの浸水があり、死者や行方不明者が出た。八年前の震災の様々な場面と重なってしまった。地球温暖化という新しい脅威を実感させられる。十年も経(た)たないうちに再びに訪れたかのような災いに途方に暮れた思いが誰しもあった。季節に親しむことができず、冬となってしまった気がする。詩集を開き言葉の灯火(ともしび)を探した一年だった。

 佐々木幹郎の『鏡の上を走りながら』(思潮社)。「声の織物」と副題のある冒頭の連作は、地震や津波で岩手県の大船渡や釜石で被災した方々から聞いた生の声を折り込めて綴(つづ)られている。「唄うたってる声が聴こえてきましたよ。//潰れた家の下から」「八戸小唄だったと思いますよ」「助けを求めていたんではなかろうかなと思いました」。現場の言葉が真実の声と詩を宿している。受けとめる筆の鋭さと強さ、そして詩人の…

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