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日々是・感劇

歴史と人間問うた1年

「泰山木の木の下で」の一場面。日色(左)と塩田

 何かがおかしいのに、なんだか日々スルーされていっている。うっすらと危うさを抱えながら。でも劇場は立ち止まって考えることができる貴重な場所ではないか。年も押し詰まるなか、改めて感じさせたのが民芸「泰山木の木の下で」(6~18日、東京・三越劇場、小山祐士作、丹野郁弓演出)だ。

 宇野重吉演出による1963年の初演以来、北林谷栄が演じてきたハナ婆(ばあ)さんを日色ともゑが引き継いだ。瀬戸内海の島に暮らすハナ婆さんを、堕胎の罪で逮捕しに来た木下刑事(塩田泰久)。原爆がどれほど人々の心と人生をむしばんだのか、叙情的な筆致で静かに語りかける。演じ継がれてほしい。

 そんな今年の現代演劇界は、歴史と人間を問う骨太な作品が響いた。文学座アトリエの会「スリーウインターズ」(テーナ・シュティヴィチッチ作、常田景子訳、松本祐子演出)は旧ユーゴスラビアにおける4世代の女性たちを通して分断が覆う世界を照射し、青年座「SWEAT」(リン・ノッテージ作、小田島恒志・小田島則子訳、伊藤大演出)は、トランプ大統領を生んだ米社会をえぐった。新国立劇場「タージマハルの衛兵」(ラジヴ…

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