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第3回全国高校eスポーツ選手権

eスポーツを楽しむ高校生を応援し、文化として発展させていくことをテーマに開催される「全国高校eスポーツ選手権」の特集ページです。

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全国高校eスポーツ選手権 決勝大会進出 釧路高専「絶対勝つ」 オンラインで練習重ねる /北海道

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eスポーツ選手権で、初の決勝トーナメント出場を果たした釧路高専「VTuberすこすこ隊ver2」のメンバー。左から岩田さん、泉谷さん、石黒さん、大和さん=北海道釧路市で 拡大
eスポーツ選手権で、初の決勝トーナメント出場を果たした釧路高専「VTuberすこすこ隊ver2」のメンバー。左から岩田さん、泉谷さん、石黒さん、大和さん=北海道釧路市で

 高校生が対戦型コンピューターゲームの腕前を競う「第2回全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社、サードウェーブ主催)の決勝大会が28、29の両日、東京都内で開かれる。道内からは「ロケットリーグ」部門で、釧路高専(釧路市)の「VTuberすこすこ隊ver2」が、4チームによる決勝トーナメントに初進出。28日に昨年準優勝の鶴崎工(大分県)と対戦する。昨年敗れた相手との再戦で、メンバーは「最高の舞台でもう一度戦える。弱腰にならず何としても勝つ」と雪辱を誓う。【澤俊太郎】

 動画サイトなどで昨年夏、競技や第1回大会の開催を偶然知った石黒航汰さん(2年)が、同学年で仲が良かったゲーム好きの友人、岩田理希さんや大和幹さんらに大会出場を持ちかけた。

 相談を受けた岩田さんは「競技は知っていて、とても面白そうだと感じた」と快諾。大和さんも「自分たちのパフォーマンスをアピールできる所に魅力を感じる」と、チーム結成に応じた。

 出場するロケットリーグは、ジャンプや飛行が可能な車を操ってゴールを狙うサッカーゲーム。3人対3人のチーム戦で、ゲームの習熟度だけでなく、メンバー間の連携が勝敗の大きな鍵を握る。石黒さんらは、学校に競技ができるゲーム用パソコンやeスポーツができる環境が整っていなかったため、自宅をオンラインで結んで練習を重ねた。

 第1回大会は石黒さん、岩田さん、大和さんの3人で出場。オンライン予選を勝ち上がり8強入りした。鶴崎工の「雷切」と対戦し、勝てば決勝トーナメントだったが、実力で圧倒的に上回る相手にストレートで負けた。

 「強敵相手に2ゲーム目は1点差で食らいつくことができた。チームに非常に高いモチベーションを残せた」と、石黒さんは手応えを感じた。

 今年8月に始まった第2回大会の予選は、岩田さんのパソコンが故障したため参戦できず、泉谷春樹さん(2年)が新たに加入。初心者ながらも「本番では非常に集中できた」といい、石黒さん、大和さんとうまく連携して勝ち進んだ。

 昨年敗れた決勝トーナメント決定戦は、岐阜高専(岐阜県)の「Aggressive Beats」と対戦。全員が自分の役割に徹した結果、持ち前の堅い守備が光り、カウンターや絶妙なパスワークなどで試合をリード。接戦を制して初の決勝トーナメントをつかみ取った。メンバーは浮足立たないよう冷静にプレーしたといい、泉谷さんは「無我夢中だったが、勝った瞬間は思わず立ち上がって叫んだ」と話した。

 4強による決勝トーナメントには岩田さんが復帰する。1年かけて戦い方を磨き、連携を深めてきた自分たちの力を試す絶好の機会。岩田さんは「自分たちが昨年負けた相手なので必ず勝ちたい」と意気込み、大和さんも「最高のプレーで会場を沸かせたい」と力を込めた。

部活や同好会活発化

 eスポーツは反射神経や集中力、戦略性が求められる競技で、全体の状況を把握する力や想定外の状況にも対応できる適応力、仲間との協調性を高めることができる。性別や年齢を超え、身体的ハンディキャップがあっても競い合える点でも注目され、全世界で競技人口は1億人以上とされる。国内外でプロリーグが発足し五輪競技採用の可能性もある。

 道内では今年2月、普及や拡大を目指し北海道eスポーツ協会が発足。北海道ハイテクノロジー専門学校(恵庭市)は道内唯一のeスポーツプロフェッショナルゲーマー専攻を開設した。札幌市には昨年11月に競技専用の施設もオープンした。全国で高校生の大会やイベントが増え、道内も部活や同好会といった形で高校生の活動が活発化しつつある。

 同協会理事の真鍋卓さん(27)は「道内にも東京のように大きなイベントが必要だ」と語る。さらなる盛り上げで地域振興につなげていくには、企業や自治体との連携も不可欠で、協会が啓発のため積極的にセミナーなどを開いている。真鍋さんは「一過性のブームもそろそろ終わる頃合いで、ここからが競技の将来に向けて重要な時期だ」と話した。

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