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文学に陰あり

円地文子「秋のめざめ」 鳥取砂丘と女の弱さ強さ /島根

 男女の愛。ドロドロした欲望と崇高な精神が息苦しいまでにもつれ合うような。これぞ恋愛小説という作品を読んだ。女の執念深さや残忍さ、退廃を妖艶に描く名手、円地文子(えんちふみこ)(1905~86年)の「秋のめざめ」である。57年8月から翌58年1月まで毎日新聞夕刊に連載され、同年刊行された。物語に流れる時間も連載と同じ頃だと思われる。

 冒頭から引き込まれる。若くチャーミングで利発な麻枝は大阪出張から東京への帰途、夜行寝台列車の中で中年紳士と彼を追いかけてきた女との情事のもつれをカーテン越しに聞かされる。この男は戦犯の弁護で活躍した弁護士、郡(こおり)だった。

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