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社説

大阪都構想の制度案 焼き直しでは意味がない

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 大阪市を廃止し、特別区に再編する「大阪都構想」の新たな制度案の大枠が固まった。構想への賛否を問う2度目の住民投票が来年11月上旬にも実施される見通しだ。

 大阪府と大阪市の議員らによる法定協議会できのう大枠が承認された。年明けから特別区設置のための協定書の作成に入る。府市両議会の議決を得る必要があるが、過半数が賛成しており、可決は確実な情勢だ。

 推進派の「大阪維新の会」と反対する他会派との対立で手詰まり状態が続いたが、今年4月のダブル選で維新が圧勝して一気に協議が進んだ。公明党が賛成に転じたからだ。

 都構想は、消防や水道などの広域行政を市から府に移管して一本化し、特別区が住民に身近な窓口業務や子育て支援などのサービスを行うように改革するのが目的だ。

 しかし、橋下徹市長時代の2015年に行われた前回の住民投票では僅差ながら否決された。今回は2度目の住民投票実施となる。

 承認された新たな制度案では、人口バランスなどに配慮して特別区の数が前回の5区から4区に減った。だが、その他の内容は否決された案と大差ない印象だ。

 どのようなメリット、デメリットがあるのかを示さなければ、市民は戸惑うだけだ。再び民意を問うのであれば、焼き直しでは意味がない。

 市民にとって判断材料となるのは、特別区移行に伴うコストがどれだけかかるのか、住民サービスが維持されるのかという点だろう。

 制度案では、システム改修費や庁舎整備経費などの初期費用が約240億円と示された。新庁舎は建設せず、市役所本庁舎を活用することで約300億円節約されるという。

 しかし、そのために、行政機能が分散するリスクもある。職員が市役所に「間借り」する特別区もあり、「災害時などに迅速な対応ができなくなる」との懸念の声も出ている。

 市財源のうち約2000億円は広域行政に充てられるが、住民サービス維持のため府から特別区に10年間、計370億円が配分される。

 来春には住民向け公聴会が開かれる予定だ。行政機能が向上するのか、住民に不便が生じることはないのか。協定書を最終的にまとめる過程で、きちんとした説明が必要だ。

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